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やっぱりテレワーク定着しない? “なし崩し出社”が始まった今、マジメに考えた

これからの管理職は「ジョブ型」 マネジメント力が必須?

 企業のリモートワーク導入に伴い一気に加速したWeb会議システムやチャットツール、ファイル共有ツールなどのICTツールの活用は、ワークスタイルを大きく変革させた。「With/Afterコロナ」の時代に突入した現在、ICTシステムサービスはますます競争が激化し、日々有用なツールが生まれている。しかしこのことが、社内の管理職に大きな危機をもたらすかもしれないのだ。 「社内会議ではZoomを利用しているが、上司が使い方に戸惑っていて、先に進まない」  都内企業に勤める横山雄太さん(仮名・36歳)は、ため息交じりにこう語った。 「今、管理職以外は全員リモートワーク。上司は毎日印鑑を押すためだけに出社しています。はっきり言って『いなくてもいいんじゃないかな』なんて同僚と話していますよ(笑)」
やっぱりテレワーク定着しない

政府は6月19日、押印は必ずしも必要ないとの見解を示した。リモートワークを推進する狙いからだ

 前出の松葉氏は、将来の管理職に求められるべき能力について次のように語った。 「リモートワークが定着し、企業がプロセスより個人スキル重視の『ジョブ型』にシフトすれば、管理職の業務の質も変わってきます。現在、人事管理システムはどんどん進化しています。さらに発達すれば、今まで管理職が行っていた人事管理や部下のマネジメント業務はHRテクノロジーによって代替されていくでしょう」  それでは将来の管理職になりうる人たちはどういった意識を持てばよいのだろうか。 「これからの管理職は、単なる部下のマネジメントではなく、データを活用した経営視点でのマネジメント力を問われる。対応できない管理職は淘汰されていきます。また、今後HRテクノロジーの発達に伴い、管理職は今よりも広い視点で全体をマネジメントするオペレーション能力も必要になるでしょう」  Web請求書や電子帳票システムなど、今まで紙ベースで行ってきた業務が徐々にデジタル化していく社会。管理職は、これから与えられる課題と真剣に向き合わなければならない。 やっぱりテレワーク定着しない【小林祐児氏】 パーソナル総合研究所上席主任研究員。主な研究領域は働き方改革・ミドル・シニア層の活性化。著書に『会社人生を後悔しない40代からの仕事術』(ダイヤモンド社)など 【松葉治朗氏】 ネオキャリアのプロダクト戦略に特化したプロダクトデザイン部の部長。人事向けクラウド型サービス”jinjer”のCPOを務め、jinjer HR Tech総研所長 取材・文/櫻井れき 写真/朝日新聞社 時事通信フォト Adobe Stock グラフ/パーソナル総合研究所のデータを元に作成 ※週刊SPA!6月30日発売号より
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週刊SPA!7/7号(6/30発売)

表紙の人/ 菜々緒

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