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NiziUが超ヒット、“韓国っぽい日本人アイドル”がウケた理由

K-POPの論法を知ることで、J-POPの閉塞感に風穴?

 しかし、NiziUの価値は、そうしたディテール以上のものがあるように思います。それは、日本の側が、K-POPの方法や価値観を全部受け入れてみせたということです。  もちろん、受け入れてやった日本がエラいとかではなく、よそ様の文化に合わせることで、客観的に自分たちを見られるチャンスが得られた。ほぼ内需で回せてきたJ-POPは、演者もリスナーも日本人という状況で、いわば、身内しかいないわけです。  しかし、照らし合わせる他者がないところには、自らの姿を映すこともできません。“ガラパゴス”と揶揄される裏には、そうした八方塞がりがあったはずなのです。欧米という強大な他者を相手に成功を収めてきたK-POPの論法を学ぶことは、ひとつ風穴を開けるきっかけになるのではないでしょうか。  異様な色調のMVの中でぬるぬるとした日本語を歌いながら、キレキレのダンスを決めるNiziU。  実に不思議な音楽だからこそ、「Make you happy」は色々と論点を投げかけてくれるのです。 <文/音楽批評・石黒隆之>
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。Twitter: @TakayukiIshigu4
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