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100円ショップ「キャンドゥ」の売上高を見れば日本人のコロナ意識がわかる

「脱100均への道」はこれがキーワードだ

 ここまでコロナ禍で絶好調だったキャンドゥの業績と、その要因について分析してきましたが、今後キャンドゥはどのような道を辿るべきでしょうか。100均として有名なキャンドゥの次なる一手は、間違いなく100円以外の高価格帯の商品です。  2020年7月3日、キャンドゥの公式サイトで200円、300円、400円、500円商品の販売開始が発表されました。とうとう、キャンドゥは100円以外の商品の販売をスタートしたのです。では、どんな商品がラインナップされているでしょうか。  たとえば、200円商品は「健康サンダル」や「ストレッチスリッパ」、300円商品は「接着グルーガン」、400円商品は「延長コード1個口」「コード付安全タップ3個口」、500円商品は「充電式モバイルバッテリー」といったものが紹介されています。  また、現在がネイルサロンに行きづらい状況であることや、自宅で過ごす時間が増えたことから、ネイルに使用できるLED(UV)ランプが販売決定されたことは、TwitterやInstagramで話題となりました。こちらのお値段は550円ですが、じゅうぶん“安い”と言えます。  すでに、ライバルのダイソーやワッツでは100円以外の商品の展開をしています。キャンドゥはこれらのライバルに比べていかに差別化した独自の商品を揃えられるかが重要になってくるでしょう。

唯一の死角、キャッシュレス未導入問題

 最後に、あえてキャンドゥの死角について触れたいと思います。それは、キャッシュレス導入が遅れていること。  ライバルのダイソーは、ほとんどの店舗店舗でPayPayが導入されている一方で、キャンドゥはPayPayの取り扱いをしている店舗が一部に限られているのです。  我が家の最寄りにあるキャンドゥも、PayPayは導入してるものの、Suicaなどの交通系は未対応です。今後、キャッシュレス市場のさらなる拡大は必然といってよいでしょう。その中で、新しい生活様式にキャンドゥがどれだけ合わせられるかが勝負どころとなってきます。

馬渕磨理子

 しかし、コロナ禍で絶好調だったキャンドゥなら、それを実現してくれると私馬渕磨理子は信じています。まさに、「キャンドゥよ、ユー・キャン・ドゥ・イット!」です。
経済アナリスト/一般社団法人 日本金融経済研究所・代表理事。(株)フィスコのシニアアナリストとして日本株の個別銘柄を各メディアで執筆。また、ベンチャー企業の(株)日本クラウドキャピタルでベンチャー業界のアナリスト業務を担う。著書『5万円からでも始められる 黒字転換2倍株で勝つ投資術』Twitter@marikomabuchi
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