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JR東海が生き残る道、キーワードは“空港ラウンジおじさん”

新幹線と富士山

旅行に行くべきか否か、それが問題だ

 いま、多くの国民にとっての最大の関心事は、この夏の旅行計画ではないでしょうか。先日政府が発表した旅行代金の一部を割引する「Go To キャンペーン」は依然混乱が続いています。  16日に発表された「東京都在住者の旅行、東京都への旅行はキャンペーン対象から除外する」という驚きの発表に続き、若者と高齢者の団体客も割引対象外とする方針転換を固めました。これにより、旅行業界では当初期待していた経済効果が見込めないのではないかという懸念の声が広がっています。  この「Go Toキャンペーン」の騒動に巻き込まれているのは旅館・ホテル業界だけではありません。鉄道業界もまた、この混乱の影響を大いに受けています。  鉄道会社はもともと、手元資金は比較的薄く、日銭を稼ぐことで成り立っていた企業です。近年では運輸事業にとどまらず、デベロッパーとして「街づくり」を手がけてきましたが、コロナ以降、商業施設やオフィスに人を集めにくくなったため、ビジネスの向かう先が八方塞がりとなっています。  いったい、今後の鉄道業界の“行き先”はどこなのでしょうか?  10代の頃、JR琵琶湖線「新快速・播州赤穂行き」で毎日通学していた私馬渕磨理子が、コロナ以降の鉄道会社の戦略についてお届けします。  キーワードは、「ラウンジおじさん」です。

コロナでもっとも打撃を受けたJR東海

 JR東日本、JR東海、JR西日本の3社について分析を進めていきましょう。  まず、鉄道業界の最大の特徴は、固定費が高いこと。  車両や線路の維持管理費用、人件費が常に重くのしかかっているため、コロナによる急激な需要の減少は、鉄道三社の売上を直撃しました。今でこそ、鉄道業界にも“コロナ不況”の波がきていますが、これまで鉄道業界は不況に強い業界と言われてきました。  それを示すように、JR東日本、JR東海、JR西日本の三社の売上は、2019年3月期まで増収傾向でした。なぜ鉄道業界は不況に強いのでしょうか。端的に言えば、鉄道は日々使うものであり、「景気が悪くなったから通勤をやめる」ということなどあり得なかったからです。  しかし、今回景気とは別の理由で、コロナにより“ありえない状況”が起きてしまいました。結果、2020年3月期の各社の営業利益は、昨年に比べて大きくへこんでしまいました。JR東日本の2020年1~3月期の営業損益は463億円の赤字となり、四半期に初めて営業赤字となったのです。  今後も、同社の業績悪化は避けられない状況ですが、これは、JR東海とJR西日本も同様。  JR東海の2020年1~3月の営業利益は、前期比60%減の442億円と黒字を保っていますが、最終的なもうけを示す純利益は、前年同期比85%減の97億円となっています。  これ、実はかなりまずいのです。
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