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「餃子の王将」コロナの逆風に“王手飛車”をかけたテイクアウト戦略が凄い

餃子の王将 店舗

餃子の王将、店舗外観

 突然ですが、王将の餃子は好きですか?  高校から大学院卒業までの9年間を京都で過ごした私馬渕磨理子の“ホーム王将”は、京都七条烏丸店。「餃子の王将」は特別に思い入れのある中華料理店です。  そんな王将、コロナ禍でもその影響を最小限に抑え、持ちこたえることに成功していたのをご存知でしょうか。飲食業界の売上がもっとも落ち込んだと言われる今年4月ですら、売上は前年比21.7%減に留まっています。  なぜ王将は強いのか? 意外と知られていない、その“3つの具(勝因)”について見ていきましょう。

勝因1:客単価がむしろ上がった

 新型コロナウイルス問題が本格化した今期の既存店売上高と客単価の数字を見ると、対前年同月比で4月78.3%、5月88.2%、6月93.5%と推移しており、4月で底打ちしたあと、6月には90%台まで回復を見せています。  客単価は、4月111%、5月116.1%、6月108.6%と100%を上回っての推移となっています。客数は減少しているものの、客単価が増加しており、これはファミリーでのまとめ買い、テイクアウト需要が増えたからです。 餃子の王将 グラフ これは、コロナ禍の飲食業界の“勝ち組”として知られるマクドナルドでも見られた傾向です。コロナでむしろ客単価が上がった飲食店は強かったのです。

勝因2:脱・都心依存が功を奏したから

 コロナ禍で注目を集めることになったデリバリー需要ですが、王将はコロナ前からデリバリー対応を進めていました。 「餃子の王将 道玄坂店」では、2017年11月から出前館をテスト導入しており、それ以来、イートインとデリバリーの店舗オペレーションの両立が可能な店舗拡大を進めていました。そして、2020年1月14日からは出前館の対応ができる店舗を、北海道・宮城県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・愛知県・京都府・大阪府・奈良県・兵庫県・福岡県の1道1都2府8県の70店舗へ拡大しています。  さらに、4月23日には新たに東京都・大阪府の63店舗でデリバリーを導入し、133店舗へ拡大。7月16日には、新たに『UberEats』を77店舗追加導入し、デリバリーサービス対応店舗は294店舗と着実に対応店舗を増やしていたのです。  この間の王将は、デリバリーと合わせて、テイクアウトの売上も増加し続けていました。  2020年3月期の有価証券報告書では、テイクアウトの売上高構成比が40.1%と、売上全体の4割を占めるほどに。さらに、今期の第一四半期のテイクアウトの売上高は、なんと前年同月比192%。  王将にとって、コロナは向かい風ではなかったのです。  実は、このテイクアウト需要を牽引したのは、郊外の店舗でした。王将の店舗は、駅前だけでなく郊外にもあるため、リモートワークを強いられるなかで自宅近くの王将のデリバリーを利用する消費者が増えたのです。  そして、郊外店が多い王将の立地戦略は、今後も有利に働くでしょう。郊外店の店内は広いため、ソーシャルディスタンスを確保しながらの営業が都心部の店舗より進めやすいからです。
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密かに起こしていた「容器革命」
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