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「まさか東京から来てないよね」子供にまで尋問する“帰省警察”が怖すぎる

横浜から来た孫を連れてショッピングしていると…

夏休み 九州北部在住で農業を営む内山裕二さん(仮名・60代)も「まさか」と思うような出来事を体験した。 「横浜に住んでいる息子夫婦が、孫二人を連れて帰ってきました。じいじと買い物行きたいなんて言ってくれるし、孫を連れて近くのスーパーに行ったんです」(内山さん、以下同)  孫の手を引いて楽しくショッピングをする内山さんの姿を見て声をかけてきたのは、近くに住む農業仲間だった。 「孫が標準語だったからでしょうか、まさか東京から来てないよね? と聞いてきたんです。孫が横浜、と答えると『横浜か、東京だったらおまわりさんに通報していたよ』と真顔で言ってきて。横浜と東京の位置関係もよくわかっていなかったんでしょうが、孫たちが怖がって、もうウチには来たくないと言い出しました」  二人の孫のうち、一人は横浜市内の自宅から都内の私立中学に通っているため、相当気にしているというから、内山さんは「もう少し気をつけるべきだった」と後悔する日々を送る。全国で同じような事態が発生しているというのは、在阪テレビ局の情報番組ディレクター・U氏だ。 「九州では、いちばん感染者の多い福岡県ナンバーの車が、どこに行っても避けられる傾向にあります。関西でも、なにわナンバーや大阪ナンバーの車で関西の田舎の方に行くと同じ事が起きていると言われています。陰湿とはいえ、今は手紙だったり陰口だったりで済んでいるが、暴力事件などに発展する可能性もあるのではないかと心配しています」(U氏)  関東でも、感染者数が多い東京地域の品川、足立、世田谷ナンバーの車が、隣県の避暑地やリゾートエリアで嫌がらせにあった、という事例も起きている。  他者に対する不寛容と「自分のところは大丈夫」という根拠のない希望的観測による行動。Withコロナ時代では、自制心を働かせなければならないと強く思う。<取材・文/森原ドンタコス>
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