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マンションの隣人は売れないアイドル。毎夜の騒がしい動画配信にうんざり

―[困った隣人]―
 今では誰もが気軽に行うことができる動画配信。なかには自宅で生配信をしている人もいるというが、壁の薄いマンションやアパートでは、隣人に喋っている内容が筒抜けで苦情を寄せられるケースもあるようだ。

ライブができない地下アイドルがネット動画でファンと交流?

ライブ配信

写真はイメージです(以下同じ)

 会社員の久藤茂弘さん(仮名・32歳)が今年の夏まで住んでいた都内のワンルームマンションの隣人も週に数回、動画配信をしており、その騒音に悩まされていたという。 「20歳前後の若い女性が住んでいたのですが、夜の10時ごろから12時過ぎまでほぼ1人で喋りっぱなし。私は会社の始業時間が早く、毎朝6時半には家を出なければいけないため、夜は11時ごろには寝るようにしているのですが、配信している日はうるさくてなかなか寝付けなかったんです」  動画配信が始まったのは今年の3月。彼女が喋っている内容から断片的に得た情報によると、ある地下アイドルグループに所属しているメンバーらしく、コロナの影響でライブなどのイベントがすべて中止。そこで動画配信でファンとの交流を始めたらしかった。 「地下アイドルだってファンありきの仕事ですし、イベントが全部中止になったら死活問題になるのは僕にも想像できます。ただ、自分のファンに向けての配信だから大声で喋るし、ハイテンションで騒いだりもするからこっちにとっては本当にいい迷惑。  彼女の部屋はちょうど角部屋で、恐らく騒音被害をモロに受けていたのはウチだけだったと思います。最初は我慢していたんですが週に何度も配信しているし、このまま寝不足になって仕事に支障が出ても困るので不動産屋さんを通して苦情を入れることにしたんです」

改善されない騒音被害に引っ越しを決意

 彼女もマズいと思ったのか、その後の配信では小さな声で喋っていたそうだが、それも最初のうちだけ。途中からはいつもの大声に戻ってしまったそうだ。 「不動産屋さんには4~5回苦情を入れましたが、配信をやめることもなければ小声にするなどの配慮もない。ただ、壁を叩いたりするはもちろんですが、直接彼女に文句を言ってこちらが悪者にされても困りますし、それだけは絶対にしないようにしていました。  事実を捻じ曲げて『隣の家の人に嫌がらせをされてるの!』なんて配信で言われた日には、彼女のファンにネット上で拡散されてとんでもないことになる可能性もありましたから」  特に緊急事態宣言中は彼女もずっと自宅に籠っているせいか配信ペースが増え、久藤さんも「この状態が今後も続くなら今の場所に住み続ける意味はない」と判断。引っ越し先を探し始める。 「隣人の彼女のことだけではなく、何度も苦情を入れてもまったく改善されないことに不動産屋さんにも不信感を抱きました。それで別の不動産屋さんで物件を紹介してもらいました。  あのマンションは築年数が経っていて、家賃も安かったから貯金できると思って長く住んでいたんです。ただ、壁も薄かったですし、自分も30代なので年相応の家に住もうとグレードを一気に上げて、駅チカ築浅の1LDKのマンションに移ったんです」
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さっさと出ていけばよかった
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ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。

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