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限られた収入で高級腕時計をお得に楽しむには? 腕時計投資家・斉藤由貴生の考え

買ったパシャは高く売れたのか? 損をしたのか?

 買う前に、私はこのパシャを買った後のことまで念入りに考えていたのですが、これまでの経験上、いくら考えたところで買った後に「やっぱり違った」となることは避けられません。そして案の定、やっとの思いで手に入れたパシャを手にした私は「ちょっと違う」と思ってしまったのです。  もちろん、最初に「違う」と感じても、日を追うごとに気に入るということはありますから、私はしばらく積極的に使うことにしたのです。けれども、一向にお気に入りとはならず、時計ケースの中で眠っているという状態が続いていました。  買ってから10か月ぐらいが経過したころ、私はこの時計を持っていることに対する満足感を得られていないことを確信しました。
カルティエ・パシャ

このデザインが気に入って、10年以上頭の片隅で「欲しい」と思った後、購入したのですが……

 使わない時計でも、ケースの中にある姿を見ているだけで気分が良いということがあるのですが、このパシャはなんとなくそういう気にはならなかったのです。  そして、ちょっと強気の値段でネットサイトに売りに出したところ、見事に海外から購入オファーをゲット。やはり、このようなマニアックなモデルの場合でも、コアなファンがいるということがわかりました。  最後に、私がこのパシャを買った値段と売った値段をお伝えします。買った値段が約23万円、売った値段が約23万円です。つまり、買った値段とほぼ同じ額で売れたわけで、「売りづらい」という予測とは逆の結果となったのです。  まあ、これはラッキーな事例とも言えますが、かなりマニアックなモノでも、それなりに魅力がある腕時計の場合、欲しいという需要はあるということだと思います。
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう

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