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ソフトバンク圧倒的有利の日本シリーズ…巨人が勝つためのキーマンは?

周東封じに期待がかかる強肩 岸田行倫


 ここからの2人は野手の紹介だ。まず最初の1人は捕手の岸田行倫。読売が日本一を奪回するためにはホークスのトップバッター・周東佑京の足を封じることが必須条件といえる。今季50盗塁をマークし、パ・リーグの盗塁王に輝いた周東は50メートル走で5.7秒を誇る快足の持ち主である。これに対抗するにはやはり肩の強いキャッチャーの存在が必要不可欠。  本来ならその役目を担うのは二塁送球ベストタイム1.80秒と強肩を誇る小林誠司なのだが、ケガのため登録を外れてしまった。そこでこの岸田である。素早いスローイングから二塁への送球ベストタイム1.78秒と“小林級”の強肩の持ち主なのだ。  打てる捕手として大城卓三、リード面なら炭谷銀仁朗がいるが、周東の出塁を許した終盤の勝負どころで盗塁を阻止するための“リリーフキャッチャー”としての起用に期待したい。

読売にもいた“周東佑京” 増田大輝


 野手2人目は読売における周東佑京的選手だ。今季プロ5年目を迎える増田大輝である。増田は昨シーズン、チームトップの15盗塁(盗塁成功率はなんと8割8分2厘)をマークするなど代走の切り札として活躍した。今季、その韋駄天ぶりにさらに磨きがかかり、23盗塁を記録している。  中でも強いインパクトを残したのが7月19日の横浜DeNA戦だろう。9回の攻撃で増田はヒットで出た坂本の代走で登場すると、次の打者は外国人のウィーラー。絶対にバントはなく、相手バッテリーは盗塁をかなり警戒する場面だった。そしてその警戒のなか、盗塁を決めたのである。  それだけではない。二塁から丸佳浩のセカンドへの内野安打でホームに帰ってくる超プロ級の“神走塁”を披露したのだ。この増田の好走で同点に追いついたチームはその後、劇的な逆転勝ちを収めたのだった。この驚異の脚力を誇る増田はまさに“読売の周東佑京”。その驚異の脚力はシリーズで“ジョーカー”的存在となるハズだ。  果たしてこの5人の中からラッキーボーイは現れるのか? この5人でなくても読売が日本一を奪回するためには1人でも多くのラッキーボーイの出現が望まれるところだ。<文/上杉純也>
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