移動オフィス兼宿泊所の軽トラで熊本に約4カ月滞在
蓮本さんはこのキャンパーを、仕事でもフルに活用している。それが移動オフィスと宿泊場所を兼ねた“現場事務所”のような使い方だ。
生活にコーヒーが欠かせないという蓮本さんは、ゆったりとコーヒーを淹れる時間を楽しんでいる
「ログハウスが建っている場所はリゾート地が多いので、ここ数年はキャンパーが現場事務所代わりです。年に2カ月くらいはキャンパー暮らしですね。昨年は熊本県の阿蘇が現場だったので、4カ月ほどこのキャンパーで生活していました」
吊るせるものはどんどん吊るして、スペースを有効活用している
自営業にとって経費の節減は大きな問題だが、さすがに4カ月となると二の足を踏みそうだが、蓮本さんの発想は視点がちょっと違う。
アタックは農業仕様だから走りも力強くて気に入ってます!
「仕事がオフの日には、阿蘇を拠点に大分県まで足を延ばして温泉を楽しみました。軽トラキャンパーなら移動だけでなく、泊まる場所の心配もいりません。せっかく自分でつくった快適な空間があるのに、それを使わない手はないでしょう」
サイズの違うシェラカップや懐中電灯などは、すべてフックに吊り下げて収納している
ビンや缶類を保管する棚には、こうして木材をガードとして渡すだけで落下を防ぐことができる
いわれてみれば、そのとおり。蓮本さんが暮らす埼玉県から阿蘇までの距離を、遠いと感じるかどうかは考え方次第。遠くへクルマで移動するための道具としてキャンパーをつくった蓮本さんにとって、埼玉県から熊本県までの道のりは苦にならなかったそうだ。
ベッド兼用のベンチの下にある収納スペース。アイテムごとにボックスを分けて整理している
空間全体が明るくなるように、室内灯はわざわざ配線を延ばして天井の中央付近に付けたという
「その代わり、長期間の滞在でも快適に過ごせるように、いろいろと工夫はしていますよ。最初につくったキャンパーでよかったところは取り入れて、いまひとつだなと感じたところは変更しています」
雨の日などは車内で調理することも多い。換気扇の能力は重要で、性能が高いものを選んでいる
換気口も雨が入らないようにしっかりとカバーで保護してある
そんな変更点のひとつが、前述した車体の剛性を高める工夫だ。先代のキャンパーには背面に両開きの大きな扉が付いていたが、ポリカーボネートという軽量な素材でつくったため、車体が歪んで開かなくなることもしばしばだった。そこで、今回はドアを片開きに変更し、壁の面積を増やすことで剛性を高めたという。
片開きに変更したドアは、既製品ではなく蓮本さんが採寸して自作した。間口はスーパーカブがギリギリ積めるサイズにしてある
「ただ、ドアを小さくしたことで、旅先で使うスーパーカブを積みづらくなってしまったのがちょっと残念。まっ、なんとか積めるんですけどね」
軽トラを替えたのでチェーンを固定するフックの位置が少しずれてしまった