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時給300~500円!? 破綻寸前な在留外国人と日本の未来

今や283万人の在留外国人が暮らす日本。コロナ禍で多くの人々が困窮するなか、仕事もできず、帰国もできない外国人が置かれた環境は、さらに過酷なものだった。今回は外国人労働者問題に長年取り組む鳥井一平氏と、日本の外国人街を取材し続ける作家・室橋裕和氏。日本に住む外国人の生活と労働に精通する2人に、移民国家になりつつある日本の課題と未来について語り合ってもらった。
[緊急ルポ]在留外国人の極貧生活

※写真はイメージです

<特別対談>在留外国人と日本の未来

室橋:新型コロナの感染拡大によって外国人労働者のさまざまな問題が顕在化しましたね。例えば10万円の特別定額給付金ですが、受給資格はあっても、行政の手続きが日本語中心でアクセスが難しい。 鳥井:はい。在留資格によって取り巻く状況も違いますが、技能実習生は就労先に雇い止めされると借金を抱え、生き場を失う。 室橋:制度的には救済対象になっているんですが、監理団体がしっかりケアしないといけない。 鳥井:そう。結局、監理団体次第なのが問題になっている。

緊急事態宣言でどこが一番困ったか

室橋:技能実習生は基本的に3年単位で出入国させ、グルグル回していますが、昨年は4月からの緊急事態宣言による入国制限で一旦止まりました。そのときに、どこが一番困ったかというと、建設・農業・漁業など、彼らを安い給料で働かせていた地方の現場でした。
[緊急ルポ]在留外国人の極貧生活

室橋裕和氏(左)と鳥井一平氏

鳥井:10月に入国制限は解かれましたが、いの一番に入ってきたのはベトナムからの技能実習生でしたね。菅総理大臣が新しく就任して、最初に行った外遊先がベトナムだったんですが、確実に人材業界からの後押しです。 室橋:もはや、そういった産業はベトナムを中心とした技能実習生を入れていかないと回らない状況なんですよね。とはいえ、日本人はそれをやりたがらない。 鳥井:先ほど、室橋さんが言ったように、日本では’10年から先に触れたローテーション労働政策を拡大していましたが、このコロナ禍で結局付け焼き刃にすぎないことが明確になりました。 室橋:たった3年間では技能を教えても先がないし、結局は単なる労働力でしかない。本来、第1次産業や第2次産業の人手不足は抜本的なイノベーションが必要なのに、外国人労働で補うのはドーピングのようなもの。 鳥井:しかも最低賃金に張り付いた奴隷契約で、法定労働時間から数百時間以上も多く働かせている。時給換算すると300~500円程度です。企業を定期的にチェックしている良心的な監理団体もあるが、ほとんどが売り込みだけのブローカーとなっている。基本給は20万円なのに、あれこれ差し引かれて手元に残るのは6万円、みたいな。 室橋:給与明細に不審な項目があっても実習生は日本語の読解力が低いですし泣き寝入りしてしまうケースが多い。
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制度自体が破綻寸前
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