仕事

日本の少子高齢化は婚活が解消する。婚活会社社長が大型M&Aに積極的なワケ

石坂茂 馬渕磨理子

全国に点在するスタッフ教育はこうして実行する

馬渕:しかし、全国展開するとなるとその品質維持に不安が残ります。買収先の二社も含め、全国のスタッフのサービスクオリティをどのようにコントロールしているのでしょうか。 石坂:私、自らスタッフと1on1のロープレを行い、ロープレ200本(2020年11月時点)を実施しています。そのほかに、加盟店向けの研修を東名阪では四半期に一度、中国・四国・九州・東北では半年に一度開催しています。昨年11月のオンライン研修では約600人の加盟店の仲人さんが参加してくれました。 馬渕:どのような研修を行っているのですか。 石坂:創業以来、培ってきたIBJメソッド4つです。「1.集客方法」、「2.入会促進(対面営業)」、「3.入会後のオリエンテーション(ファーストカウンセリング)」、「4.成婚サポート(お見合いから結婚に至るまでの段階的なサポート)」。この4つのカリキュラムをアップデートしながら、1年を通じて伝えています。 石坂茂 馬渕磨理子馬渕:単なる営業ではなく、結婚までの段階的なサポートまで一貫しているのが婚活企業ならではですね。 石坂:そうですね。今後もメソッド研修とロープレ研修、両方継続してやっていく予定です。メソッド研修は加盟店の仲人さんと直営店のスタッフ向けとして、ロープレ研修は直営店のスタッフ向けです。当社サービスの中でも、直営結婚相談所「IBJメンバーズ」は、ハイコスト・ハイクオリティのサービスです。そのサービスクオリティ維持のため、トレーナーチームと改善しながら成婚メソッドを作り続けています。 馬渕:営業ではなく、成婚にもメソッドがあるというわけですね。退会者の2人に1人が結婚に至れる理由がそこにありそうです。今後はそのメソッドを加盟店に普及させていくことで、地方でのIBJの影響力がさらに強まりそうですね。 石坂茂 馬渕磨理子石坂:そのとおりです。創業当初は周囲からこの事業の社会的価値を認められないところがありました。しかし、いまは結婚カップルを生み出すことで未婚化や少子化対策に貢献し、以前お話したような高齢者の孤独化対策にも繋がっています。私は、日本最大の社会問題である少子高齢化や人口減少に歯止めをかけることが当社の使命だと思っています。6年後には、日本の年間婚姻組数の5%をIBJサービスから創出するつもりです。 馬渕:IBJの地方戦略とメソッドの普及によって、日本の人口減少を食い止められる日がいつかくるかもしれませんね。 馬渕 石坂
経済アナリスト/一般社団法人 日本金融経済研究所・代表理事。(株)フィスコのシニアアナリストとして日本株の個別銘柄を各メディアで執筆。また、ベンチャー企業の(株)日本クラウドキャピタルでベンチャー業界のアナリスト業務を担う。著書『5万円からでも始められる 黒字転換2倍株で勝つ投資術』Twitter@marikomabuchi
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