プロ野球、無観客キャンプが与えた意外な「好影響」
26日に開幕を迎えたプロ野球。昨年に引き続きコロナ禍の影響が強いシーズンとなりそうだが、昨年と違うのはキャンプインからコロナの影響を受けているシーズンとなることだ。現場は試行錯誤して大変なのではないかと思うところだが、意外にも「今年ほど順調なキャンプが過ごせた年はなかった」という現場の声が聞こえてくる。一体どういうことなのだろうか。
観客も入れないキャンプとなったことで、練習環境が静かな野球だけの世界に激変したのが今年のキャンプの特徴だ。あるセ・リーグ球団のコーチは「無観客キャンプだったので、選手はサイン対応やマスコミ対応などをする時間がなくなり、練習だけに専念できたことで今年は例年になく順調でしたねぇ」とも。
実際に今年はキャンプ中の練習による怪我人の数は例年より少ない。野球の練習だけに集中した今年のキャンプはまさに、文字通りのキャンプとなっていたようだ。そして減ったのは観客だけではなく、実際に取材する報道陣の数も同様だ。
「球団も取材ではコロナ対策で『グラウンドレベルでの取材禁止』『ぶら下がり取材禁止』『個別取材は基本的にリモートで』というのを通達していて、さらに取材陣の数も制限していますからね」(先述のセ・リーグ球団コーチ)
昨年までよくあった「女子アナがグラウンドレベルで注目選手に取材するキャンプ映像」を今年はとんと目にしなくなった。もしかしたら、プロ野球選手と女子アナの結婚がしばらく減るのではないかという余計な心配をしたくなるくらいである。スポーツ紙野球担当記者に聞いた。
「今年は外国人選手の調整遅れなどがコロナの影響として語られているが、例年以上に日本人選手の仕上がりがいいシーズンになり、もしかしたら外国人選手を抜きにした戦力が強いチームがダークホースとなるのかもしれない」
取材制限を受けたマスコミ側も意外な影響があった。例年であればテレビ局の場合、カメラマン、音声、ディレクター、アナウンサー、解説者など10人規模の取材陣が1か月にわたってキャンプ地を訪れていたのが、今年は最低限の人数で取材にあたった局が多かったという。それではさぞかし取材が大変になるだろうと思いきや、そうでもないらしい。「これならキャンプに人を派遣しなくていいじゃん」となったとか。
「ウチのラジオ局では毎年キャンプ取材で数百万円の予算がかかってましたが、今年は1人しか取材に行かない。約1か月近くキャンプ地に3人泊まっていた宿泊・移動経費に現地の食費などが三分の一になって300万円以上の経費が削減できてしまった。個別取材もリモートでできるので取材量自体に何ら問題ないし、来年も同じ体勢でできるならそうしたいかも」(某ラジオ局関係者)
もし来年コロナが収まって例年どおりのキャンプとなっても、本音では球団側がリモート取材を続けてくれることを願ってるマスコミ関係者は多そうである。
練習に全集中! これが本当のキャンプの型
300万の経費削減に成功したラジオ局
1
2
愛知県出身。スポーツからグルメ、医療、ギャンブルまで幅広い分野の記事を執筆する40代半ばのフリーライター。
記事一覧へ
記事一覧へ
【関連キーワードから記事を探す】
大谷翔平らは「MLBの穴埋め」に過ぎないのか。米野球界の深刻な人気低迷とジャパンマネーを狙う“冷酷な計算”
落合博満が「オレはできない」と認めた新庄剛志。日本ハムを“10年ぶり日本一”へ導く采配の妙
大谷翔平、山本由伸……日本出身選手のMLB進出はなぜ続くのか? 実力以上に「人気」や「知名度」が報酬に響くスポーツの市場構造
公開プロポーズが「地獄の思い出」に…辱めを受けた25歳女性が語る“逃げ場なし”の悲劇
左打者9人揃えた中日…藤浪晋太郎「史上最大級の“抑止力”」が話題。「好きなだけ嫌がって」発言でライバル球団の対策は
この記者は、他にもこんな記事を書いています





