メダカすくいに救われた
ここはひとつ、メダカすくいにチャレンジしてみるべきだろう。
「一回お願いしま〜す」
その言葉を聞いた瞬間、主人の目が突然輝き、はっきりとスイッチが入ったのがわかった。まさに水を得た魚のごとく。
「今準備するからちょっと待っててね〜!」
まずはパリッコが挑戦
初めてやったけど、どんどんすくえる!
っていうか、全部すくえちゃった!
本番に備え、素振りをする清野氏
清野氏の挑戦
数匹で網が破れる
メダカすくいをきっかけにすっかり打ち解けたご主人と。ごちそうさまでした!
パリ:や〜、最高でしたね! まさかあさひの真価、メダカすくいにあったとは。
清野:酔っ払いながらのメダカすくいは人生初でしたが、あんなにテンション上がるとは思いませんでしたよ。それにしてもパリッコさん、上手かったっすね!
パリ:まさか自分にメダカすくいの才能があったとは(笑)。でもあれ、そもそも網がいわゆる屋台の金魚すくいのなんかより、だいぶしっかりしてましたよね。ご主人にそのこと聞いたら、「そうだよ〜。だってそうじゃなきゃ良心的じゃないでしょ?」って、前に取材した時ははっきりしなかった「良心的な店」の由来そこだったんだ! と。
清野:味と値段とかじゃなく(笑)。前言撤回で、ここ「ありがちじゃない変な店」ですよ!
パリ:でしたね。しかしなんだかんだいい意味で肩の力が抜けたというか脱力したというか。今夜はもうなんでもいいや! って気になってきた。
「このタイミングで『あさひ』と出会ってなければ、たぶん帰っていたと思います。この記事も冒頭の数行だけで終わり、連載も終わり、人生まで終わっていたかもしれません。『あさひ』にかんしゃ!」(清野)
牧野:あさひで静かに飲んでいるときに、穏やかな時間だなあ…と思っていたら、清野さんが突然、「流れております、流れております、穏やかな時間が流れております」と実況しはじめたのと、めだかすくいの前に真剣に素振りをしてウォーミングアップしていたのを見たときは、やはり天才だ……と打ち震えました。
そして我々が最後にたどり着いたのは、神田。それこそ味のある飲み屋がいくらでもありそうな街だけど、せっかく神田に来たならぜひ寄っておきたい大好きな店がある。町中華的なメニュー構成ながら完全に酒飲み対応の名店「鶴亀」だ。神田駅とは逆方面から向かっていたので若干迷いつつ、確かこっちのほうだったよな〜と路地を進み、見つけた看板に誘われて入店。
こんな立派な看板あったかな?
あれ? こんな小ぎれいな店だったっけ?
店員さんに聞くと、ここは2号店なんだそう。本店のガヤガヤとした喧騒の雰囲気も好きだけど、こじんまりとして密にもなりづらい作りのこちらは、昨今の状況にはむしろ向いているかもしれない。
鶴亀といえばこの「チューハイ」メロンが刺さってなんと300円!
再び乾杯!
何を頼んでも安くてうまいことが約束されているこの店で、ここぞとばかりにたのみまくる!
「オニオンスライス」(300円)
「ニラとモヤシ炒め」(300円)
「ホルモン炒め」(450円)
「鶏皮煎餅」(350円)
「焼き餃子」(6個 600円)
「水餃子」(500円)
「厚揚げ焼き」(350円)
清野:鶴亀、どれをとっても激ウマですね!
パリ:焼き餃子も水餃子も最高〜!
清野:しかしあさひでも食べたモヤシ炒めやホルモンを頼んだのは、ちょっと悪意ありましたかね(笑)。なにも被せなくても。
パリ:これは我々が悪かった。ぶっちゃけ、モヤシ炒めひとつとっても、落差が割と……。
清野:でも、かぶせたくもなっちゃいますよね。あさひのモヤシ炒めを経たから、今このモヤシ炒めが極限の輝きを放っているんだし。
パリ:はは! そもそも値段も違うし、あさひのモヤシ炒めだってちゃんと美味しかったし。ああいうほっとする系の良さってあるし。でも、こっちのは熟練の技がね。
清野:順番って大事だなって思いました。あさひ大好きですし、なんなら「あさひ派」ですけど!
パリ:そう。僕たち、根本は「あさひ派」なんです!