ライフ

1本30万円のウイスキーのお味は? 自腹でテイスティングしてみた

3250万円で落札されたウイスキーの香りに

余市

長期熟成と熟成した樽の酒類が原因で、とても濃い色に仕上がっています

「シングルモルト宮城峡 リミテッドエディション2019」は余市よりもやや薄いにせよ、濃厚です。赤みがかっており、シェリー樽で熟成した原酒が多く入っていることが伺えます。香りは、「ど」シェリーでした。爽やかでハーブ感もありますが、セメダインCのような感じもあります。  ウイスキーでは時々、セメダインCのような香りを感じることがありますが、決してけなし言葉ではありません。あくまでも似た香りだ、というだけです。ちなみに、3250万円で落札されたこともある「山崎50年」(サントリー)もセメダインCの香りが印象的でした。  味わいは香りの通り、シェリーが真正面から来ます。1969年に操業を開始し、最初に蒸留した原酒を使っているというスーパーレアなお酒ですが、あまり古酒という印象ではなく、想像よりも元気です。シェリー樽で熟成したウイスキーは芳醇で甘やかに仕上がるため、世界中で人気ですが、このボトルはさらにシェリーが効いています。芳醇なのはもちろんなのですが、なかなかにパワフルです。  時間が経つにつれて、宮城峡も大きく変化します。最初はドライなシェリー感だったのですが、どんどんまろやかになってきます。5ディケイドの原酒がいい感じでまとまっているのですが、開くことで長期熟成の深みが顔を出してきます。余韻が長く、飲み込んだ後に呼吸するのが幸せです。

コストパフォーマンスを論じるのは無意味

柳谷

時間が経つごとに開いて味わいが変化するので、ゆっくり楽しみましょう

 どちらも最高でした。原価で合計60万円(税別)のお酒でコストパフォーマンスを論じるのは意味がありません。ロマンです。とは言え、ウイスキー好きとしては飲めて幸せでした。  将来、余市の50年ものが発売されれば、車が買えるくらいの金額になると思いますが、迷わず買えるように貯金しようと思います。 <文/柳谷智宣>
お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる
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