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「入管法改悪に反対!」元収容者と当事者たちが緊急会見「人間として扱ってほしい」

「人間として扱ってほしい」

バビタ氏(左)と鈴木堅登氏(右)

バビタ氏(左)と鈴木堅登氏(右)

「ぼくは仮放免申請の保証人もやっているが、今回の入管法改正は、監理人として仮放免の保証人に厳しい制約や罰則を設けようとしている。今後、そういうボランティアが仮放免の保証人をやっていくのも危険な状態です。ボランティアを始めた頃、3年ほど収容されているウイグル人がいた。傷害事件を起こしてしまいビザを失ったが、帰国すれば迫害を受けるので帰れず入管に収容された。難民認定もされないまま、仮放免中に事故でなくなってしまった」(鈴木堅登氏、SYI収容者友人有志一同)  ネパール人のバビタさんは品川入管に2年10カ月間収容され、4月に仮放免となったばかり。子宮筋腫を抱えていたが、なかなか仮放免が出なかったという。 「入管では、私が有名な人間ではないから命が危ないと言うだけでは難民申請はできない、などと言われた。(収容中は)体が痛いと言っても検査をしてもらえなかった。貧血でめまいがして花火の光のようなものが見えると言っても、ぜんぶ『ストレスだ』と言われてしまう。(入国管理を)厳しくするのはわかるが、人間として扱って欲しい」(バビタ氏) 「のどが痛いと言ってもお腹が痛いと言っても、入管の中ではみんな同じ薬を渡される。(足に病気を抱えている)私にも同じ薬。レスタミンという薬だった」(ペニャ氏)  レスタミンは、抗ヒスタミン作用でアレルギー反応を抑える薬だ。  バビタ氏は「食事はいつも同じで、冷たくてくさい」と言う。料理人であるペニャ氏も「作ってからかなり時間が経ったもので、くさい。メニューも、コロッケ、コロッケ、コロッケ……、チキンが月に1回くらい」と語った。

公正な裁判を抜きにした監獄

「やりすぎ。拷問です。人権が全くない。さらに、(法改正では)監理措置制度を作って支援者に対象者を見張らせ、分断しようとしている」(織田氏)  入管は刑務所ではない。通常、犯罪の容疑者は法律の基準や手順に従って拘束され裁かれ、結果次第で刑務所に入れられる。収容期間も事前に裁判で決められる。しかし入管での収容や仮放免は基準や期間が明確ではなく入管の判断次第だ。 「どこまで(違反が)重いと収容になるのか、基準が知りたい」(バビタ氏) 「刑務所と違って入管の場合は理由が知らされない」(織田氏)  現在与党が進めようとしている法改正以前に解消しなければならない人権問題が山積みだ。それを放置したまま、外国人や支援者への罰則を増やしても、これまで以上に対象者や支援者を追い詰めるだけではないだろうか。  12日の採決は回避されたが、与党は14日の採決を目指して野党と協議するとも報じられている。  今回の緊急記者会見の間も、議員会館前では100人近い人々が座り込みを行っていた。 <取材・文/藤倉善郎>
ふじくらよしろう●やや日刊カルト新聞総裁兼刑事被告人 Twitter ID:@daily_cult4。1974年、東京生まれ。北海道大学文学部中退。在学中から「北海道大学新聞会」で自己啓発セミナーを取材し、中退後、東京でフリーライターとしてカルト問題のほか、チベット問題やチェルノブイリ・福島第一両原発事故の現場を取材。ライター活動と並行して2009年からニュースサイト「やや日刊カルト新聞」(記者9名)を開設し、主筆として活動。著書に『「カルト宗教」取材したらこうだった』(宝島社新書)
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