エンタメ

NFTアートが1300万円で落札されたVRアーティスト「デジタル資産を保有するのが当たり前になる」

“ブログ全盛期”以前から「ネットの発信力が影響を持つのはわかっていた」

せきぐちあいみ そんなせきぐちさんは、高校時代からブログを始めており、自身の日常を発信していたという。まだブログが全盛ではない頃、ライブドアブログで思いの丈を日々綴り、ネットでの活動をいち早く取り入れていたのだ。 「周りからは『なんで日記を公開しているの?』と笑われましたね。でも、将来はネットでの発信力が影響を持つのはわかっていたので、まずはやってみようということで始めたんです」  また、今ではYouTuberという言葉が当たり前になっているが、せきぐちさんはYouTubeの収益化プログラムが始める前からYouTubeで動画を発信していたそうだ。 「当時から自分の活動を知ってもらうために、可能性を感じたものは何でもやろうと思っていたんです。いくつか動画サービスをやったなかでYouTubeがしっくりきたので、コツコツと動画をアップしていましたね。  家で腹筋する様子を動画にした『愛美筋』やカメラが彼氏というテーマでひとり芝居を行う『ひとり妄想劇場』など、何をしたら面白くてバズるのかと創意工夫しながら楽しくコンテンツを作っていました」

「“魔法使い”のようになれる」と衝撃を受けたVRの魅力

VR

VRとの出会いが人生の転機となった(提供写真)

 自分が興味関心を持てることに関して、その都度トライしてみることを心がけてきたせきぐちさん。さまざまな挑戦を試みてきた彼女にとって、転機になったのがVRとの出会いだった。 「2016年に仕事の関係で、たまたまVRに触れる機会があったんです。今まで立体的な作品を作れる3Dペンは趣味でやっていましたが、VR空間の中で自由自在に絵や形を描く体験は、私にとって衝撃的でした。  360°広がる空間に自分の思い描く世界観を表現できるので、まるで魔法を使えるようになった感覚でしたね(笑)。VRアートは無限の可能性を秘めているという、そのスケールの大きさに感銘を受け、夢中で取り組むようになりました」  せきぐちさんがVRアートで使っているのは「Tilt Brush(チルトブラシ)※編注」だ。  VR空間上に3D表現やエフェクトを直感的に加えられ、さらに想像力を働かせることで3次元空間ならではの世界観を構築することが可能になっている。 ※Googleが開発したVR用ペイントアプリ
次のページ
器用貧乏・紆余曲折は無駄じゃなかった
1
2
3
4
5
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ