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身を犠牲にするほど“エモい”。「推し」としてのホストに貢ぐぴえん系女子たち

大金を支払ってまで満たされたい理由

 なぜ、大金を支払ってまで満たされたいのか。歌舞伎町が顕著ではあるが、推すために“夜の仕事”をしている女のコたちが存在する。推しがいたから夜の商売をしたのか、それとも体を売った慰めに推しに走ったのか――、事情はそれぞれ。  ただ、ぴえん世代のなかには何かを投げ売ったり犠牲にしてまで推すことが「エモい」とされ、その界隈では「偉い」とまでされる文化が確かにある。冒頭の“宝くじ”の女性がそうだ。  この繋がれる推し文化のある種最上位に位置し、承認欲求から誇示消費、エゴすべてを吸い取るのがホストクラブという存在なのだろう。  もちろん、ホスト側もただお金を得るだけではなく自身の心と体を“消費”しているのだが――。次週は男性性の切り売りについて触れる。

「ぴえん世代」新語辞典

・越前リョーマ 歌舞伎町のホストクラブ「Dewl」で8年連続売り上げ、指名本数(月あたりのお客様の来店人数)1位の座を守り抜き「ホストの神」と称される。’15年には歌舞伎町のホスト「神7」に選出されるなど、非大手グループ所属にもかかわらず圧倒的な知名度を誇る実力派。合言葉は「愛に恋よ」。今年2月に『成功したいなら誰かの「推し」になれ』(光文社)を出版した。 ・繫がれる推し アイドルや二次元など推しははるか遠くの存在であったが、SNSの普及により、いわゆる“ネット有名人”的な直接繋がれるタイプが増えた。顔が整っている、面白い、そんな人たちに対して金銭を送り、果てには自身の体を捧げる女性たちがいる。ただ、あまりにも簡単に繋がれる推しは、SNSで「アイツすぐヤレるよ(笑)」と晒されるのが常である。 写真/tsubasa_works12
現役女子大生ライター。10代の頃から歌舞伎町に出入りし、フィールドワークと自身のアクションリサーチを基に大学で「歌舞伎町の社会学」を研究する。歌舞伎町の文化とZ世代にフォーカスした記事を多数執筆。ツイッターは@chiwawa_sasaki

「ぴえん」という病 SNS世代の消費と承認

21歳・現役女子大生ライターが送る、衝撃のデビュー作!

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