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コロナ禍の日本と酷似! 風刺漫画家が驚愕した東欧の巨大医療汚職事件<令和の歴史教科書>

いまの日本を彷彿とさせる「不正」

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ぼうごなつこ氏が驚愕したルーマニアの巨大医療汚職

 ぼうご氏が今の日本の状況とあまりにも似ていることで思わず共感してしまったのは、2015年10月30日に東欧ルーマニア・ブカレストのクラブ“コレクティブ”で発生した火災を発端に、製薬会社や病院、そして政府や権力へと繋がった、ある事件のこと。命よりも「利益」や「効率」ばかりが優先された果てに起こった国家を揺るがす巨大医療汚職事件である。  なぜルーマニアの1クラブでの火災が、そこまで大きな汚職事件に発展したのか? 事件の概要はこうだ。  “コレクティブ”火災では、当時、180名の負傷者と27名の死者が発生した。もちろんそれも大惨事なのだが、その後に不可思議な事態が発生した。一命を取り留めたはずの入院患者が病院で次々に死亡、最終的には火災から3か月で死者数が64名にまで膨れ上がってしまったのだ。  この異常事態について、いち早く取材を始めたのは、地元のスポーツ紙「ガゼタ・スポルトゥリロル」の編集長(漫画の2コマ目右端)率いる追及チームだった。取材チームは内部告発者からの情報提供により、衝撃の事実に行き着く。実は、この火災のあとの死者数増加の背後に、莫大な利益を手にする製薬会社と、彼らと黒いつながりを持った病院経営者、そして政府関係者との巨大な癒着が存在していたのだ。  真実に近づくたび、増していく命の危険。それでも記者たちは真相を暴こうと進み続け、地道な調査報道は続けた結果、それらの報道が世論をも動かし、時の内閣を退陣に追い込んだのだ。そして、新たに就任した若き保健省大臣(3コマ目左端)は、腐敗の中枢でもある政府の中から事件に立ち向かうまでに至ったという。
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©Alexander Nanau Production, HBO Europe, Samsa Film 2019

 ぼうごなつこ氏はこう語る。 「この事件については、ドキュメンタリー『コレクティブ 国家の嘘』という映画で知りました。とても素晴らしいドキュメンタリーで、観ながら『あー、これ日本と似てる!てか同じ!』、『このスポーツ紙って日本で言ったら日刊ゲンダイとか…?それにしてもスポーツ紙がガッツある報道するって一般紙がもうまともでないってこと?(やっぱり日本と似てる)』、『やっぱりネトウヨ政府太鼓持ちみたいな政治家やジャーナリストっているんだ!』などなどと、あまりに現代のコロナ禍の日本と酷似している状況に驚きと共感が止まりませんでした」  この『コレクティブ 国家の嘘』、非英語映画でありながら、タイム誌が選ぶ2020年ベスト映画の第2位に選出されたほか、ローリングストーン誌では第1位に選出され「惨劇、隠蔽、暴露。今年最高のドキュメンタリーだ」と最高の賛辞を得た。ヴァニティ・フェア誌では第3位、インディ・ワイアーでは第3位となり「ジャーナリズムについて描く映画史上、最も偉大な作品だ」と評されたほか、「これほど現代社会を象徴する映画はない」(ワシントン・ポスト紙)とも評されている。日本では10月2日からシアター・イメージフォーラム、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショーが始まるという。  奇妙なほどに喧伝されたPCR検査抑制論や杜撰な対策など、日本のコロナ禍も「人災」とも言える様相を呈している。にもかかわらず、政権与党は国会開催にも応じず、「身内」の総裁選に執心。あろうことか、権力を監視・批判するはずのメディアまでそれに乗っかっている。  こんな日本社会だからこそ、感染予防対策を十分にした上で、劇場に足を運んでみたい。 <まんが/ぼうごなつこ> Twitter ID:@nasukoB 。1974年、神奈川生まれ。まんが家・イラストレーター。著書に『100日で崩壊する政権 コロナ禍日本、安倍政権の軌跡』『100日で収束しない日本のコロナ禍

100日で収束しない日本のコロナ禍

ぼうごなつこ先生の風刺漫画第2弾


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