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いいね!への渇望とSNS広告の洗脳…自分を見失っていくぴえん世代

誰もが“許容される街”歌舞伎町に、15歳から通い続ける女子大生ライター・佐々木チワワ。今、この瞬間の“いいね!”を求めるがあまり、自らを傷つける彼ら彼女らの理由は一体何なのか。そんな若者たちを「ぴえん世代」とカテゴライズした、短期集中連載もひとまず最終回!

“数字”に囚われる毎日

ぴえん

佐々木チワワ氏 写真/tsubasa_works12

「リストカットしている投稿に“いいね!”が大量にきて、私も生きていいんだと思った……」  歌舞伎町の路上で、手首の傷痕を触りながらマユミ(仮名・19歳)はそう呟いた。  歌舞伎町を中心にして生きる、20歳前後の若者たちの“病みカルチャー”を紹介した当連載も今回でひとまず最終回を迎える。私がこの連載で定義づけした「ぴえん世代」は、SNSにおける“数字”に毎日を囚われすぎているように感じている。  例えば一回目でぴえん系女子がリストカット、薬物やアルコール類の大量摂取によるオーバードーズなどの“病み要素”までもファッション化していることに触れたが、冒頭のマユミのように過激な行動をSNSにアップしては、他人からの「いいね!」や「フォロー数」という“数字”に自分自身の価値を委ねがちであり、数字が減ると自分の価値が減ったように感じる世代であると紹介した。

自分を見失っていくぴえん世代

 今のSNSで不特定多数から支持を得るには、かわいさ、派手さ、過激さが一番手っ取り早い。迷惑YouTuberの類いが、いまだにのさばっているのもそんな理由だ。  ただ、ぴえん世代はそういう万人受けを狙うのではなく、数百、数千の単位での“いいね!”を貰う「界隈受け」で生きているように思う。今、歌舞伎町でさまざまなメディアで話題をさらう「トー横界隈」も、小規模な有名人であろう。  本来、SNSは余暇に楽しむものだったが、自分を商品化してPRできる販売ツールにもなり、さらに自分が生きるための承認欲求を満たすツールにもなる。  ぴえん世代らは「いいね!」を得る前提で発言を考えないといけなくなり、どこまでが自分の本音で、どこまでが支持を得るための発言なのか区別することが難しくなり、自分自身が消費されている感覚を日々まとうことになる。そして、ぴえん世代はいつしか、自分を見失っているように私は思う。
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ぴえん世代の価値観はSNSで洗脳される
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