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『カムカムエヴリバディ』業界人たちの評価「テンポの良さは秀逸だけど」

初回は3作連続20%割れで不安の声も…

カムカムエヴリバディ

「カムカムエヴリバディ」HPより

 NHKの朝を代表する国民的ドラマである「連続テレビ小説」シリーズ。5月から放送していた清原果耶主演の『おかえりモネ』は全120回の期間平均視聴率が世帯16.3%、個人9.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)とやや低調な数字だったが、緻密なストーリー構成とキャラクターの魅力あふれるセリフの数々が業界人やドラマファンに刺さり、“新しい朝ドラ”として評価される一作としてフィナーレを迎えた。  そんななか、11月1日から朝ドラ史上初となる3人のヒロインとして上白石萌音、深津絵里、川栄李奈が主演を務める『カムカムエヴリバディ』が放送開始。「ラジオ英語講座」とともに歩んだ祖母、母、娘の3世代親子の半生を描く“原点回帰”ともいえる朝ドラとして期待されたが、初回視聴率は世帯16.4%、個人9.0%と3作連続で20%超えを果たせなかった。  しかし回を重ねるごとに視聴率を上昇させ、SNSでの評価も上々な同作。今後、ヒットドラマになる可能性も秘めているのかを業界関係者たちに率直な意見を聞いた。

王道ながらテンポのよさが秀逸!

 キー局でドラマのプロデューサーを担当する50代男性のA氏はこう語る。 「回を追うごとに惹き込まれており、楽しく見ています。現代劇を丁寧に描いた『おかえりモネ』とは異なり、近現代を生きた女性を描くストーリーになっており、非常に王道と言える一作だと思います。ただし3話から最初のヒロイン・安子を演じる上白石萌音さんが登場し、子役が演じる幼少期のストーリーを大幅に飛ばすなど、新しい試みをしている作品だと感じましたね。  これまでの作品では幼少期のストーリーは序盤1~2週分ほどあるのが定石。しかし、朝ドラ視聴者の中には『ヒロインに代わる前が長くて離脱してしまった』という声も多かったそうで、視聴率を上げるためにNHKなりの戦略があったようです。そのおかげで、ストーリーは非常にテンポがよく見やすい作りに。かと言って出来事の羅列にはなっておらず、ヒロインの淡い恋愛模様を描きつつ、結婚や長女誕生といった核となるシーンは丁寧に描かれているところも秀逸ですよね」 “王道の朝ドラ”的なストーリーでありながら、現代のドラマ視聴に適応した作りにバージョンアップされた作品に仕上がっているようだ。
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