カーライフ

EVよりガソリン車の伸びしろが大きい理由

バッテリー革命が起きない限り…

 EVのモーターなどの動力部には、技術的な改善の余地はほとんどない。大きな可能性があるのはバッテリー革命だけ。バッテリーを大幅に小型・軽量・低コスト化しない限り、長足の進歩はない。  メルセデスは、’30年までに100%BEVにすると宣言したけれど、そのメルセデスの一番小さくてお安いBEV・EQA250に乗っても、どうにもこうにもクルマが重く感じる。サイズはそんなに大きくないけれど、重量が2トンもあるからだ。これってホントのホントにエコなのか!?  トヨタだって、現状作れるEVは似たようなモンになる。バッテリー革命が起きない限り、EVへの一本化なんてムリじゃないか!?

ガソリンエンジンは発電用

 そんななか、ダイハツは新開発のハイブリッドシステム「eスマートハイブリッド」を、小型SUVのロッキー/ライズに搭載した。メカ的には日産のeパワーと同じで、ガソリンエンジンは発電用。その電気でモーターを回して走る。
オートクラブ

ノート(eパワー)の実燃費は、せいぜいリッター20㎞だけど、ロッキーハイブリッドはリッター28㎞超え! そのぶん音はうるさいし加速もイマイチだけど、燃費に徹した節約設計に見どころアリです!

 カタログ燃費はリッター28.0㎞。従来の1リッターガソリンターボがリッター18.6㎞だったので、約5割のアップだ。実際に都心部の下道を走ってみたら、リッター28.4㎞という、かなりすごい数字が出た。もともとハイブリッドはノロノロ走行に強いとは言え、同じようなシチュエーションなら、1リッターガソリンターボの約2倍アップ。やっぱり内燃エンジンは伸びしろがデカい! 夢があるなあ……。  ダイハツはこの新型ハイブリッドシステムを、’25年までに軽自動車にも導入する。日本政府は’35年までに、新車を全車電動化すると宣言しているので、軽も電動化、つまり最低限ハイブリッド化しないとイカンのだ。
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もともとの燃費がいい軽は…
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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