カーライフ

新型Zで湾岸を流したら。令和と昭和の融合を感じた夜

Z乗るなら真夜中の湾岸で!

ガソリンエンジンを積むスポーツカーの最期が近づいている。フェアレディZも次はEVになるか、それとも消滅するかのどちらかだろう。新型Zで夜の首都高湾岸線を走っていると、去り行く時代への惜別で涙が止まらない。「たとえ悪魔でも、オレはコイツがいい。ただそれだけだ」。『湾岸ミッドナイト』“悪魔のZ”気分で、しみじみと湾岸を走りました。
オートクラブ

NEW FAIRLADY Z

永福ランプ(清水草一)=文 Text by Shimizu Souichi 池之平昌信(流し撮り職人)=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu

発売前に売り切れた……。新型フェアレディZは昭和の完成形

 人間は、手に入らないとなると欲望が昂進し、なんとしても手に入れたくなる。欲望が欲望を生んで奪い合いになる。  昨年、日本で売れたフェアレディZ(先代型)は、わずか461台だった。海外でも、アメリカ36台、ヨーロッパ17台! アメリカでシボレー・コルベットが年間2万台売れているのと比較すると、ゼロみたいなものだった。  ところが、そんなフェアレディZが新型になった途端、すさまじい奪い合いになっている。というより9月の発表前、7月末の段階で、数年分(?)が売り切れて受注停止。すでに新車はほぼ買えないらしい。知り合いは7月30日にディーラーに駆け込んで申し込み、「納車は何年先になるかわかりませんが、たぶん2年後くらいです」と言われたそうだ。
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新型Zを手に入れられるのは…
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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