更新日:2022年09月02日 12:26
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その予想方法はもう古い!流行りの馬券術の「寿命」が短い理由

現在の予想トレンドは……

 例えば、現在の“トレンド”として、「レースレベル分析」「レース映像回顧」が挙げられます。 「レースレベル分析」とは、そのレースでの敗退馬の次走以降の成績をチェックして、出走馬の多くが次走以降で活躍しているハイレベルレースを探す手法。競馬新聞の馬柱だけを見ている競馬ファンは、単純に前走着順の良い馬に目が行きがちなので、ハイレベルレース敗退馬は人気の盲点になりやすいのです。 「レース映像回顧」とは、過去レースのパトロールビデオから、道中での不利やロスをチェックする手法。ゴール前の不利や、騎手が思いっきり手綱を引っ張るような不利は、競馬新聞にも記載されますし、ファンの記憶にも残ります。しかし、道中の不利、それも新聞に記載されないレベルの不利について意識しているファンは少ないので、こちらも馬券妙味を追えます。  このように、どちらも確かなロジックに基づいており、その有用性は疑いようがありません。実際、その威力を何度も目の当たりにしてきました。

他とは違う視点を持つ努力による「ファンの競走」

 しかし、予想家も含めて、多くの馬券ファンがこの手法を用いるようになり、オッズに色濃く反映される状況が生まれてきています。今後、「レースレベル分析」「レース映像回顧」で勝っていくためには、より分析の精度を上げるか、ライバルとは違う着眼点を用いる必要があるでしょう。この手法自体が下火になるのを待つ、というのも1つの選択肢かもしれません。  いずれにせよ、予想家を目指す人にとって、「レースレベル分析」「レース映像回顧」という手法が、レッドオーシャン化していることは間違いありません。  2021年は競馬AIがメジャー化した年でもありました。競馬ファンのレベルアップもあいまって、これまで通用していた期待値を取れる手法が、急激に通用しにくくなっている印象があります。これまでの感覚では、10倍ついてもいいような穴馬がいまや5~6倍しかつかない、そんなイメージです。私自身、その罠にハマって、狙い方は同じでも回収額が下がっていた可能性は否めません。  この難局を打開する方法はあるのか? 1つは、パドックや馬体分析など、データにしにくいファクターの活用でしょう。近年、時間対効果が悪いとか、見たところで違いが分からないとか、軽んじられがちだったパドック派の復権があるかもしれません。  私自身は、さすがに今からパドック派に転向するわけにはいかないので、予想スタイルの微調整を検討中。具体的には、穴パターンありきの予想を一旦捨て去り、自分が活用している指数で狙えるパターンを愚直に狙っていくつもりです。 文/松山崇
馬券攻略誌『競馬王』の元編集長。現在はフリーの編集者・ライターとして「競馬を一生楽しむ」ためのコンテンツ作りに勤しんでいる。
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