更新日:2022年03月17日 21:39
ライフ

飛行機1機チャーターのお値段は? 仲間うちの乗り合い便に同乗してみた

空に興味のある人たちが一堂に

主催者パイロットのTenさんに聞いたところ、「コロナ禍の減便でフライトが減り、空き時間が増えたことで何かできないかと音声SNSを使った情報発信を始めました。コロナ禍で飛行機に乗りたくても乗れない、飛行機を見に行きたくても行けないなど空や飛行機が好きな人が楽しめる場が非常に少なくなってしまいました。その中でパイロットである自分ができる事は何かないかと考えた時に、空に興味のある方へ声を届けることでした。普段コミュニケーションを取る機会の少ないパイロットに質問し、体験談を聞くことができます。SNSを通して、飛行機や空への想いを繋ぎたいという目的がありました」と教えてくれた。 「シミュレーターでも動画でもない、フライトの実体験を通して、飛行機の音、匂い、振動、見える景色、機内での飲食の味などを五感を通して魅力を感じて欲しいです。そして、コロナ後には思い思いの場所へ出掛けて貰えれば。そのような熱い想いをこのイベントを通して感じて貰いたい」と。

実際のフライト内容は

3月14日午前、快晴の名古屋小牧空港を71人+幼児1名を乗せて出発したFDA2022便。エンブラエルERJ175型機の機体番号JA16FJはバイオレットカラーの機体を富士山方面へと東に向けた。富士山西側を南北に何度か往復した後に、名古屋に戻る1時間のフライトとなった。飛行高度は通常より低い5000mほどであり、雄大な景色を堪能したことだろう。機内ではTenさんが客席をまわり挨拶を行い、搭乗者の機内アナウンス体験も行われたようだ。 定期便では、搭乗する人々の目的は様々だ。今回のように、空と飛行機を愛する一人のパイロットを通して知り合った人々の趣味を同じくするオフ会の場でフライトが利用されたことは過去には無い。降機後も、コックピット見学会や別の機体へ自分のサインが残せるオプションも実行した。参加後にTenさんが語った。 「機内では、初めてお会いする人ばかりでしたが、全員分のお土産を用意してくださる参加者もおり、大いに盛り上がりました。遠くは北海道・沖縄から参加頂きました。離陸の時は客席の全員で『Cleared for Take off(離陸準備良し)』と掛け声を合わせることで心をひとつにできたことが最大の思い出です」  このような場を提供したフジドリームエアラインズの発想力は素晴らしいと思う。夢の続きに乗ってみたいと思う人は多いことだろう。 <取材・文・撮影/北島幸司>
航空会社勤務歴を活かし、雑誌やWEBメディアで航空や旅に関する連載コラムを執筆する航空ジャーナリスト。YouTube チャンネル「そらオヤジ組」のほか、ブログ「Avian Wing」も更新中。大阪府出身で航空ジャーナリスト協会に所属する。Facebook avian.wing instagram@kitajimaavianwing
1
2
3
おすすめ記事
ハッシュタグ