3月14日午前、快晴の名古屋小牧空港を71人+幼児1名を乗せて出発したFDA2022便。エンブラエルERJ175型機の機体番号JA16FJはバイオレットカラーの機体を富士山方面へと東に向けた。富士山西側を南北に何度か往復した後に、名古屋に戻る1時間のフライトとなった。飛行高度は通常より低い5000mほどであり、雄大な景色を堪能したことだろう。機内ではTenさんが客席をまわり挨拶を行い、搭乗者の機内アナウンス体験も行われたようだ。
定期便では、搭乗する人々の目的は様々だ。今回のように、空と飛行機を愛する一人のパイロットを通して知り合った人々の趣味を同じくするオフ会の場でフライトが利用されたことは過去には無い。降機後も、コックピット見学会や別の機体へ自分のサインが残せるオプションも実行した。参加後にTenさんが語った。
「機内では、初めてお会いする人ばかりでしたが、全員分のお土産を用意してくださる参加者もおり、大いに盛り上がりました。遠くは北海道・沖縄から参加頂きました。離陸の時は客席の全員で『Cleared for Take off(離陸準備良し)』と掛け声を合わせることで心をひとつにできたことが最大の思い出です」
このような場を提供したフジドリームエアラインズの発想力は素晴らしいと思う。夢の続きに乗ってみたいと思う人は多いことだろう。
<取材・文・撮影/北島幸司>