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吉高由里子(34)の“無双”はなぜ続く?デビュー時から変わらない吉高像とは

大河ドラマ『光る君へ』の主演に

吉高由里子

NHK公式HPより

 吉高由里子(34)が2024年1月からのNHK大河ドラマ『光る君へ』に紫式部で主演するのは知られている通り。一方で来年1月からはテレビ朝日の連続ドラマ『星降る夜に』に主演し、産婦人科医に扮する。  昨秋に放送されたTBSの主演連ドラ『最愛』はこの9月に発表された民放連の2022年テレビドラマ最優秀賞に輝いた。「吉高無双」といっても良いくらいの状態である。  女優としての吉高はどこが優れているのか。まず当然のことだが、演技がうまい。  映画監督や演出家に「どんな役者がうまいと言えるのか」と尋ねると、大抵は同じ答えが返ってくる。答えは2通り。故・高倉健さんらのように「どんな役柄も自分の個性に引き付けてしまうタイプ」か、大竹しのぶ(65)たちのように「どんな役柄にも成りきってしまうタイプ」である。その両方の良さを併せ持つのが吉高だ。

多彩な役柄を演じきる個性

 好例は当たり役の1つになった2013年の『ガリレオ第2シーズン』(フジテレビ)でのヒロイン・岸谷美砂役。正義感に満ち、真っ直ぐである一方、プライドが高く、鼻につくところもあり、いかにも若手キャリアだった。吉高は成りきっていた。半面、人懐っこくて愛嬌もあり、憎めなかった。吉高の持つ個性と重なり合った。  2014年度上期の連続テレビ小説『花子とアン』(NHK)の安東(村岡)はな役もそう。経済的問題や学業の壁などに直面する女性だったが、吉高が演じると悲壮感が漂わなかった。はなは親しみやすく、チャーミングだった。それでいて苦労や努力は感じさせた。リアリティはきちんと担保されていた。 『最愛』で演じた主人公・朝宮梨央は製薬会社を経営する実業家で、やや毛色が異なったが、それでも愛くるしい吉高の個性が反映されていた。役柄をグイッと自分に引き寄せていた。
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18歳に出演したデビュー作で高評価
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放送コラムニスト/ジャーナリスト 1964年生まれ。スポーツニッポン新聞の文化部専門委員(放送記者クラブ)、「サンデー毎日」編集次長などを経て2019年に独立。放送批評誌「GALAC」前編集委員

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