ソーシャル就活のセクハラ 学生側の問題
―[ソーシャル就活のセクハラ事件簿]―
SNSを利用した女子大生の就職活動を悪用し、デートを強要するわヤリ逃げするわ……。SPA!ではこれまで、そんな呆れた輩の手口を暴いてきた(https://nikkan-spa.jp/186280)。もちろんダマす大人が悪いのは当然だが、学生側にも理由はあるはずだ。
◆意識が高いはずの“ソー活生”が大人にダマされやすい理由とは?
’11年から本格的に広まり始めた「ソー活」だが、実際に就活でソーシャルメディアを活用している学生は全体の2割弱とまだまだ多くない。しかし、早稲田や慶應をはじめとする進学校を中心に着々とソー活を始める学生は増えてきている。IT慣れしているように思われる学生だが、セクハラ被害に遭ってしまうのは一体なぜなのか?
「もともとソーシャルメディアはユーザー同士が“共感”を楽しむことで交流が発展するため、男性よりも女性が活用しやすいツールなんです。実際、ソー活に対しても積極的なのは女子学生が多いので、セクハラ目的の社会人のターゲットになりやすいという側面はあります」
と語るのは、『Facebookで就活に成功する本』(自由国民社)などを執筆しているジャーナリストの高橋暁子さん。
「今の大学生は、子供の頃からネットが身近にあった“デジタルネイティブ世代”だけに、ネットとリアルの境界がありません。だから顔の見えないネット上でも友人に本音や悩みも打ち明ける。オンラインで知り合った人物だとしても実際の友人と同じに思え、過剰に信頼してしまいがちです。これを“自己開示効果”といって、ソー活に限らずネット上の出会いがトラブル化しやすい原因なんです」
もともとネットに慣れ親しんでいるからこそ、それに伴うリスクへの危機意識が不足しているということか。
「その大きな理由が、教育現場におけるITリテラシーの指導不足です。ソーシャルメディアはここ数年で爆発的に普及しましたが、技術やサービスが先行して進化してしまい、“正しい使い方”を教えられる人がほとんどいません。もう少し時間がたてば指導ノウハウも整備されて、学生のリテラシーも向上するはずですが……」
ネットの進化に教育が追いつかない「過渡期」に育った現在の就活生たちだからこそ、大人の悪知恵にコロッとダマされてしまうのかもしれない。
【高橋暁子氏】
東京都の教員を経て、SNS関連の記事を中心にジャーナリストとして活躍。著書に『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(日本実業出版社)など
取材・文・撮影/青柳直弥(清談社)奥窪優木 呉 琢磨 中野一気(中野エディット) 八木康晴(本誌)
― ソーシャル就活のセクハラ事件簿【10】 ―
『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』 SNSは賢く使いましょう。 |
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