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ロシア軍はわざと市民を攻撃している!? 現地ジャーナリストが語るプーチンの非道

ウクライナ4州の併合を宣言、核兵器使用を示唆し、戦争犯罪を繰り返すロシア

志葉氏は激戦地ハルキウでロシア軍の砲撃を目前にした

ジャーナリストの志葉玲氏は、激戦地ハルキウでロシア軍の砲撃を目前にした

 9月以降、反転攻勢を加速させるウクライナ軍は、ロシアに占領された東部地域の要衝を次々と奪還している。    この動きに呼応してプーチン大統領は9月21日、予備役30万人の動員(徴兵・徴用)を開始。これに反対するデモが起き、動員から逃れるために国外に脱出する国民が近隣国との国境に長蛇の列をつくる事態になった。    さらにロシア軍が占領しているウクライナ南東部の4州では、占領軍による監視のもとでの住民投票を強行。その結果、ロシアへの併合賛成が大多数を占めたとして9月30日、プーチン大統領は併合を宣言した。  同時に、あらためて核兵器使用の可能性を示唆して世界に脅しをかけている。相変わらず民間施設や民間人を標的に攻撃し、占領地では住民を拘束して拷問するなどの人権侵害、国際法違反を繰り返すロシア。  それにもかかわらず、ロシアの犯罪性を薄めて被害者のウクライナをたたく一部の人が存在する。背後にいるアメリカやNATOがすべて悪いと主張し、それに対抗するプーチン大統領はヒーローだ、などという「陰謀論」を信じている人もいる。

現場を完全に無視し、ロシアとウクライナを同等に扱う人々

 だが、ここで取り上げるのはそれとは少し違う種類の人たちだ。  日頃から反戦平和、反差別、人権尊重を訴え、「侵略はいけない」と枕詞を述べたうえでロシアの非道を矮小化し、抵抗するウクライナ人たちを貶め軽んじることに血眼を挙げている人たちのことである。  ウクライナが抵抗するから殺される、どっちもどっち論、NATOが悪い、アメリカとロシアの代理戦争、ウクライナに武器を送るな……など、さまざまな意見を彼らは表明している。  共通するのは、①当事者であるウクライナ人と現場を完全に無視していること、②侵略者と抵抗者を同列に扱っていること、の2点だ。  現場で何が起きているか、そこに住んでいる人々は何を思いどう過ごしているのか。彼らの脳内では、これらが決定的に欠落している。  そのような状況でフリージャーナリストの志葉玲氏は、現地を取材し『ウクライナ危機から問う日本と世界の平和~戦場ジャーナリストの提言』(あけび書房)を上梓した。  本書には、いつ、どこで、誰が、どのように、何を経験したか(あるは何を見たか)が記述され、圧倒的に「固有名詞」が多い。一人ひとりの人名、地名、組織団体名などの背後には、さまざまな出来事と人生があるのだ。  当事者を無視した議論が多い中、現地を見てきた志葉玲氏にじっくりと話を聞いてみた。
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水を求めて外出した人々がロシア軍の狙撃兵に撃たれて死亡
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※志葉玲氏トークイベント情報
伊藤千尋×志葉玲 「ウクライナ危機から平和の道を考える」
日時:10月30日(日)14:00~16:30
会場:ワイム貸会議室 荻窪(東京都杉並区上荻1-16-16 ユアビルI 2階)
参加費:1000円(Zoom視聴含む)
https://hisen.peatix.com/?fbclid=IwAR1CxWSnSpQatzSeicICnexuzU3Aah5YlubYTR4fjMP0l21O_Q4nfM97SgA

ウクライナ危機から問う日本と世界の平和 戦場ジャーナリストの提言

ロシアによるウクライナ侵攻を取材。現地では何が起きているのか、人々はどんな生活をしているのか。現場にいなければわからない、貴重なレポート

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