更新日:2023年11月03日 09:56
ライフ

「久々のタイ旅行」でトラブル続出。クレジット決済したら10倍の値段に

お金を取り返しに行くと…

橋本君

友人と相談中の橋本君(写真右)

 橋本君は典型的な詐欺に遭ってしまい、意気消沈した。バンコクに住んでいる友人に相談し、とりあえずスーツ屋に翌日行ってみることにした。  その友人のアドバイスで仲間二人を誘い、一人には交渉を手伝ってもらい、もう一人には動画で外から撮影してもらった。  橋本君は自分のTwitterやSNSのアカウントを見せ、「僕はこれほど影響力があるのでこの店のことを拡散するぞ」と忠告する。相手はそれでも「そんなことは知らない」とシラを切っていたが、外で撮影しているのに気がつくと「撮影をやめろ!」と激高した。橋本君も「なぜ撮影を止めないといけないんだ!」と揉み合いになったと話す。  橋本君も写真を撮ると、そのスマホを奪われてしまう。なんとか取り返せたが、10人に囲まれる状態になっていたという。臨戦態勢に入る。そこで橋本君はツーリストポリスに連絡をしたが、なかなかやってこない。すると、信じられない光景に遭遇する。

カモにされた外国人旅行者たち

「わずか1時間程度の間に、カモにされているとは知らない外国人旅行者が5人も店に連れてこられたんです。僕は『ここは詐欺の店だから逃げろ!』と彼らに教えて追い返しました」  店側からすれば気に食わないはずだ。当然、橋本君を脅してきたが、ようやく二人のツーリストポリスがやってきてくれた。 「ポリスが何やら店側と相談したのち、『向こうはシャツをオマケでつけるらしいからそれで勘弁してくれ』と言ってきました。おそらく詐欺師たちから『旦那、勘弁して下さいよ。少しカネをバックするから、あの鬱陶しい旅行者を追い出してもらえないですかね?』とか頼まれたんだと思います。  そして店内で『好きなワイシャツを選べ』と。ただ、僕も頭にきていたので『もうスーツやシャツはいらない。カネを返してくれればいい』と言いました」
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奇跡の結末
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旅行作家、旅行ジャーナリスト。著書の『ブラックロード』シリーズは10冊を数える。近著に『ウクライナに行ってきました ロシア周辺国をめぐる旅』(彩図社)がある。人生哲学「楽しくなければ人生じゃない」

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