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今年のジャパンカップは「あえての外国馬」をオススメしたい3つの理由

日本馬がホームで外国馬を圧倒する理由

競馬

昨年もジャパンカップに参戦して5着と健闘したグランドグローリー 
写真/橋本健

 なぜ、ここまで外国馬が日本、とりわけ芝の中距離路線で走れなくなってしまったのでしょうか? その理由は、日本の芝コースの高速化にあると言われています。  一例を挙げると、パリロンシャン競馬場で行われた凱旋門賞のレコードタイムは、2011年にデインドリームが記録した2.24.49。そして直近3年のタイムは2.39.30、2.37.62、2.35.71。  一方、東京競馬場で行われたジャパンカップのレコードタイムは、2018年にアーモンドアイが記録した2.20.6。そして直近3年のタイムは2.25.9、2.23.0、2.24.7。  このように、全く別競技の様相を呈しており、日本馬がパワー・タフさを求められる凱旋門賞で太刀打ちできないように、スピード・キレを要求されるジャパンカップで外国馬は速力負けしてしまうのです。  その証拠に、ジャパンカップだけでなく、スピードとキレを求められる安田記念でも外国産馬は大苦戦しており、外国馬の東京競馬場での成績は0-0-0-37。掲示板に載ったのも13年ジャパンカップのドゥーナデン、17年ジャパンカップのアイダホ、21年ジャパンカップのグランドグローリーの3頭しかいません。  思えば、芝の中長距離で馬券に絡んだ2レースも、1つは3200mという超長距離戦、もう1つは梅雨時に行われパワーを要する宝塚記念という、スピードやキレを求められにくい舞台でのものでした。

今年のジャパンカップ、敢えて外国馬狙いという手も!?

 薄々感じてはいましたが、過去データからは、外国馬は「買わない」というスタンスで良さそう。東京競馬場で行われるジャパンカップであればなおさらです。ただ、今年に関しては少々、様相が異なります。  1つは迎え撃つ日本馬のメンバーがやや手薄な点。総大将と目されるシャフリヤールこそ、昨年の日本ダービー馬であり、今年のドバイシーマクラシックを制している実績馬ですが、それに続くダノンベルーガはG1未勝利で、上がり馬ヴェラアズールもトップクラスとは未対戦。  天皇賞・秋を制したイクイノックス、今年のダービー馬ドウデュース、現役最強の座に君臨するタイトルホルダーらが不出走なのです。  もう1つは、参戦する外国馬たちのプロフィールがなかなか魅力的であるという点。  オネストはパリ大賞典の勝ち馬で、ジャパンカップを勝つと300万ドルのボーナスが支払われるため勝負度合いが高そう。グランドグローリーは昨年のジャパンカップで5着しており、日本の馬場に対応済み。前走の凱旋門賞でも5着と充実期に入っている印象です。  シムカミルはニエル賞でドウデゥースに先着。凱旋門賞をスキップしてフレッシュな点も魅力です。ドイツから参戦のテュネスは、昨年の凱旋門賞馬トルカータタッソを兄にもつ良血で、現在5連勝中。  さらに付け加えるなら、今年から東京競馬場に国際厩舎が新設され、外国馬は空港から直接東京競馬場に入り、輸入検疫から滞在までを一貫して行うことが可能になりました。今年の外国馬は、これまでに比べて調整面でプラス要素があるのです。  日本での外国馬の不振はオッズにも織り込まれており、外国馬は無条件で消しにしているファンも多いはず。それだけに、馬券に絡んだ際には大きな配当が見込めます。「人の行く裏に道あり花の山」ではありませんが、逆張りは競馬のセオリー。今年は「あえて」外国馬を狙ってみるのも面白そうだと感じているのですが、果たして!?  文/松山崇
馬券攻略誌『競馬王』の元編集長。現在はフリーの編集者・ライターとして「競馬を一生楽しむ」ためのコンテンツ作りに勤しんでいる。
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