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日本と違う海外の年末年始。100万人が参加、1億人がテレビ視聴する“大イベント”の正体は…

1億人が視聴する「ボール・ドロップ」

タイムズ・スクエア

大晦日、ニューヨークのタイムズ・スクエアに大勢の人たちが集まっている様子(Photo by Adobe Stock)

 とはいえ、アメリカの正月には何もないというわけではありません。年が明ける瞬間を迎える年越しのカウントダウン行事は全米各地で行われています。そのなかでも最も人気があるのは、ニューヨークのタイムズ・スクエアで行われるボール・ドロップです。1904年に始まったこの恒例イベントは現在では100万人が参加し、1億人がテレビ視聴すると言われています。  タイミングとしては日本の「ゆく年くる年」や除夜の鐘と似ているのですが、アメリカの年越しカウントダウンにはおごそかな雰囲気は希薄で、ただひたすらに大騒ぎをするイベントです。カウントダウンの後は花火が打ち上げられます。映画『フォレスト・ガンプ』で主人公フォレストとダン・テイラー中尉が乱痴気騒ぎをする場面を覚えているでしょうか。  それでも2005年からはカウントダウンの直前にジョン・レノンの『イマジン』が演奏され、世界の平和に祈りが捧げられるようになりました。

カリフォルニアでは3時間前に終わってしまうカウントダウン

 寒さの厳しいニューヨークで真冬の深夜に屋外で立ち並ぶのは大変だなあ、と気候温暖なカリフォルニア在住の私はテレビを見ながら思っているわけですが、少し間の抜けたことにニューヨークとカリフォルニアの間には3時間の時差があります。  つまり、私たちは午後9時には「3,2,1,ハッピーニューイヤー!」となるところをテレビで見るわけです。その後で、今度は地元のカウントダウンに出て仲間と大騒ぎをするぞ、という若くて元気な人たちもいるにはいますが、大抵の人は年を越す頃には家で大人しく寝てしまうのではないでしょうか。  ハワイ州となると、ニューヨークとの時差は5時間になりますので、事情はさらに大きく変わるのではないでしょうか。このように国内に時差があることで、日本とは違い、アメリカでは一斉に新年を祝うという雰囲気になりにくいのではないかと思います。
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元旦にテレビをつけるとアメフトばかり
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日本生まれ米国在住。米国で高校、日本で大学を卒業し、日米両国でIT系会社員生活を25年過ごしたのちに、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。日本のメディア多数で執筆。 世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。

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