仕事

「いくら稼がせてくれるんですか?」面接現場で飛び出した就活生“驚きの一言”

「人事だって女性の前ではデレデレ」

 続いて話を聞いたのは会社員の前田誠也さん(仮名・当時22歳)。彼は、「ずっと営業職志望だったんです」と語る。そんな前田さんが経験したのは、営業職メインの外資系生命保険会社での圧迫面接である。  生命保険の営業には、加入の勧めを断られたり、飛び込み営業も多いため、強靭なメンタルが必要とされるとか。そのため、就活生に圧迫面接まがいのプレッシャーを与え続け、タフさをはかる採用企業も少なくない。前田さんが経験した面接でも、1次面接から、重役らしき面接官たちのしかめっ面が並んでいたらしい。  その圧力をはねのけるのはなかなか困難であるように思えるが、「僕は、圧迫面接への対策として、キャバクラでデレデレしている面接官の姿を想像しました(笑)。そしたら、厳つい顔をした人事が滑稽に思えてきちゃって」と前田さんは言う。  そのスタンスで、彼はできるだけに人事を見下すような態度をとり続けたらしい。

最低限の礼儀は保つよう心掛けた

就職活動「最初はちょっと怯みましたが、挑発的な目で見返してやりました。それで、意味が分からないような質問が来たら、『は?』って、『分かりませんが?』って言っちゃいました。おかげで面接中はずっと空気がピリついてましたよ(笑)。ただ、ずっとそのスタンスをとり続けるだけだとただの生意気な若者になってしまうから、マジメな質問にはちゃんと答えて、最低限の礼儀は保つよう心掛けました」と、前田さんは振り返る。 「内心、実はビクビクでしたけど、面接終了間際にその場で『君、合格』って内定出ちゃって(笑)。僕もまさか本当に内定をもらえるとは思ってなかったから、『え?本当ですか?』って聞き返しちゃいました(笑)」  おそらく彼の反骨精神が人事の心に刺さり、営業職に向いていると判断されたのであろう。適度に挑発的な姿勢、それは圧迫面接に屈しないためのひとつの手段として、理にかなっているかもしれない。しかしながら、前田さんはその内定を蹴り、今は別の会社の営業職で好調な業績を挙げているという。  就職活動において、模範回答を用意して「好青年」の仮面をかぶるのは肝要である。しかしながら、ここまで見てきた2人のように、少し奇を衒ったような態度、自然体のまま挑んでみると、案外上手く事が運ぶかもしれない。 <取材・文/日刊SPA!取材班(伊達ケント)>
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