「1人転職させて300万円」存在しない“おとり求人広告”で釣る、悪質な派遣業者を追跡
新型コロナウイルスの感染拡大で下火だった転職市場に再び活気が戻ってきている。人材会社大手「リクルート」が運営する転職サービスでは、2022年の転職者数が2019年と比べ、3割増加した。また、総務省の調査によれば、2010年代後半から転職者数は急増しており、2019年に過去最高の351万人を記録。背景にはスマートフォンで気軽に求人情報にアクセスできることが挙げられる。
その一方で、実際に求人を募集していないにもかかわらず、募集しているかのように求人情報を掲載する「おとり求人広告」がいま、社会問題化している。その実態を追った。
「転職サイトに架空の大手企業からの求人を掲載して、人を集めてるワケ。そこで釣って、ウチで実際に抱えている別求人に誘導するんだよね」
東京都港区の公園で、社員数が20人程度いる人材系のベンチャー企業で働く女性と会った。山野井しほさん(仮名・26歳)。前職はラウンジ嬢で、現在は人材エージェント(=営業)として働いている。今年で1年目を迎えるという。
「給料は歩合制で、夜職ほどではないけど月60万円ほど稼いでいるよ」と給料事情を話す。
「おとり求人に応募してきた人を“落とした”テイとして、『慎重に検討した結果、今回は貴意に沿いかねる結果となりました』とお断わりメールを送る。そこで、『ただ、こちらの求人ならお客様のスキルに見合っているため、ご案内できます』と伝えると、すんなり応募してくれるよ」
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おとり求人は、TwitterやInstagramといったSNSのほか、求人情報サイト大手などでも公開しているという。「おとり求人かどうかの審査は特になく、簡単に掲載できる」と山野井氏は語る。その上で、「メーカーやITなどは誰もが知っている大手企業でも常に人材を募集していて、おとり求人とバレることはない」という。
「時には別職種を紹介することもあるかな。これまで、エンジニア希望なのに、整備士や工場のライン工を紹介したよ。正直、人材は金になるから。1人就職させるだけで、就業先の企業さんから100万~300万円をもらうことができたりもする。応募してきた人の希望もあるけど、こっちも営利企業だし、仕方ないよね。応募してくる人も元ニートや変な人が多いし、こっちは就業先を案内したんだから、あとの人生はがんばってねって感じ。てかウチだけではない。人材系のベンチャーはほとんど真っ黒だよ」
罪悪感はないのか。山野井さんに聞いてみると「ベンチャーの人材系なんてそんなもん。なんでウチだけが言われるの?」と返された。
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