節電効果は月1万円?東京都の太陽光パネル設置政策に、住宅メーカーも批判の声
東京都に一般住宅を建てる際に、太陽光発電のパネル設置が義務化される。東京都は2022年12月、同案の法律を成立させた。一般会計の総額が1100億円超の補正予算も可決・成立。メーカー側の取り組みを支援する費用や相談窓口の設置などに、約300億円が盛り込まれている。
「ウチはそんな影響がないですね。新築一戸建てを建てる際に、6割以上のお客様が太陽光パネルを建築時に設置しているので、値段もそこまではあがらないと思います。この条例は、日本が脱炭素への取り組みが諸外国と比べて遅れているので、パーフォマンス的な意味はあると思います」
同業界の最大手に10年以上勤めている関係者が匿名を条件に、業界の内情を打ち明けた。
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一方で、「中身が伴っていない議論だ」との批判が議会や都民から相次いでいる。
大手住宅メーカー「あの政策は意味がない」
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一戸建て住宅で太陽光パネルを設置するには、100万円程度が必要となる。東京都は現在、一戸建てを含む新築建築物に太陽光パネルの設置を義務化する際に、建築主ではなく、住宅メーカーに義務が課される方針を出している。
条例の対象となるのは、全ての住宅メーカーではなく、中小規模の建物の供給量が都内で年間2万平方メートル以上の住宅メーカーだ。都はおよそ50社を対象に、販売戸数の85%以上に太陽光パネルの設置を義務付ける方針だ。
2021年6月17日時点までの太陽光パネル設置率は4%程度で、都は2030年までに温室効果ガス量を2000年比で半減させる目標を掲げている。都内で排出される二酸化炭素のうち3割は家庭から排出されていることが、条例制定の背景に上げられる。
ただ、疑問な点もあるという。大手住宅メーカーの関係者が続ける。
「太陽光パネルをつけることで家庭電力をまかなえたり、売買できるという話がありますが、今回の義務化でのパネルの容量は2キロワットであり、それでは十分に一戸建ての電力がまかなえるとは思いません」
この容量とは、太陽光パネルがどれくらいの発電能力を持つのかを指す。東京都環境局によれば、東京都の一戸建て住宅で設置されている太陽光パネルの平均容量は4〜5キロワット。今回の義務化による容量は、都の平均容量のうち半分以下となる。
「1キロワットあたりの太陽光発電設備の設置費用は、28万円程度。4〜5キロワットとなると、100万円以上はかかります。ただ、行政の補助金利用で半額にはなったりすることも。5キロワットの太陽光を設置するとしたら、年間で6万円程度の電気代を節約することができます。電力を売ることもでき、10年間で20万程度は黒字になる。とはいえ、設置義務化の2キロワットでは家庭の電力を1万円程度しかまかなえず、そこまで意味があるのかの声もあります」
節約できる電力は月1万円程度
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