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9割が「差別」を感じている…理解されない“生きづらい病”の実態

 障害者や難病のハンディを抱えた人との共生社会の実現に向け、世の中は動き始めている。  だが、周囲に理解されず生きづらさに悩む実情をどれだけの人が理解しているだろうか。さまざまな生きづらさが渦巻くなか、認知を広げるべく大学教授や障害福祉情報メディアの代表に話を聞いた。

共生社会が進む一方で「差別」を感じる人が9割

生きづらい病

※画像はイメージです(以下同)

 世の中には、まだあまり知られていない障害や難病に苦しむ人々が大勢いる。その症状は世間一般には理解されづらいものも多く、それが当事者たちの「生きづらさ」の要因になっている。  内閣府が6月20日に発表した’23年版「障害者白書」によると、障害のある人が身近にいること(共生)を当たり前だと感じる人の割合が9割超に達し、「障害を理由とする差別の解消に国民が関心を持っていることがうかがえる」と分析した。

「理解が十分とは言いがたい」現状

 これに対し、障害福祉情報メディア「障害者ドットコム」代表の川田祐一氏は、苦言を呈する。 「9割超という数値は評価したいのですが、現場感からすると意外でした。それは政府の分析にあるように関心を持っている程度にすぎず、理解までは及んでいないからだと考えられます。障害者福祉に携わる事業者でさえ、理解が十分とは言いがたい」  一方で、同調査では障害者への差別や偏見が「ある」と答えた人も9割近くいた。 「そんなつもりはなくても、当事者や周囲からすれば、差別や偏見に感じる場面はまだあるということでしょう。実際に相対したら、どうしたらいいかわからず、避けてしまう人は少なくありません」
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障害者への「関心」から「理解」を促す方法
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