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「常に便失禁の恐怖に襲われ、外出するのが怖い」30歳の潰瘍性大腸炎患者が語る苦しみ

 障害者や難病のハンディを抱えた人との共生社会の実現に向け、世の中は動き始めている。だが、周囲に理解されず生きづらさに悩む実情をどれだけの人が理解しているだろうか。さまざまな生きづらさが渦巻くなか、認知を広げるべく当事者の声を聞いた。

「潰瘍性大腸炎」繰り返す入院生活。便失禁恐怖が襲う

新型「生きづらい病」当事者の本音

しょうたさん(30歳)

 故安倍晋三元首相が罹患し、退陣の要因にもなった潰瘍性大腸炎。埼玉県在住でIT広告会社に勤めるしょうたさん(30歳)にも、この病が襲う。 「生まれつきおなかがゆるい体質でしたが、’17年秋から下血が始まり、一日に20回もトイレに行くようになりました。多忙でなかなか時間が取れず、病院に行けたのは半年後。  自分が難病になるなんて想定外で医師からは『もう少し遅かったら、大腸が破れていましたよ』と言われて事の重さを知りました」

「死んだほうがマシ」と思うことも

 即時に入院となり、絶食生活に入った。1か月ほどで退院してもすぐに悪化。入院回数は1年半で5回に及び、「死んだほうがマシ」と思うこともあったという。体重は20 kg以上落ちた。 「便意が急に襲うと我慢することができないので、外出するのが怖くなりました。  職場や外出先で間に合わなかったことが続き、おむつや女性用のナプキンを使ったこともあります。違和感がある変な感じで落ち着きませんでした。今でも外出する際は、行き先のトイレの場所を必ずチェックするようにしています」
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完治が難しい病。しょうたさんの思い
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