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<台湾鉄道旅>ローカル線なのに「通勤電車のような混雑」だった平渓線

―[シリーズ・駅]―
 近場の海外として日本人に人気の台湾。なかでも台湾北東部の瑞芳(ずいほう)駅と菁桐(せいとう)駅を結ぶ、平渓(へいけい)線はローカル線ながら沿線は見どころが多く、ガイドブックにも紹介されている。  そこで今回は日本を飛び出し、台湾の人気ローカル線に乗車。途中下車の旅の様子をレポートする。
平渓線

平渓線の路線図

ローカル線なのに通勤ラッシュ並みの混雑ぶり

平渓線

平渓線への接続駅で人気観光名所・九份の玄関口でもある瑞芳駅

 平渓線への接続駅となる瑞芳駅は、台北駅から特急「自強号」なら約35分で快速でも50分前後。この駅は日本人観光客に多くが一度は訪れる超人気スポット・九份(きゅうふん)の玄関口で、駅からはバスで15分。ただし、ここは最後に向かうことにして、まずは目当ての平渓線に乗ることに。
平渓線

瑞芳駅に入線する平渓線の列車

 ちょうどこの日は週末とあって駅のホームは大混雑。しかも、ホームに入線した平渓線はなんと4両編成。1両なんてことも珍しくない日本に比べると、もはやローカル線ではないような気もする。車内は朝の通勤電車のような混雑ぶりで、「週末はいつもこんな感じですよ」と教えてくれたのは台北から彼女と日帰りデートに来たという大学生の劉君。
平渓線

ローカル線とは思えない大混雑の車内

 台湾にはローカル線と呼べる路線が平渓線と南部の二水―車埕を結ぶ集集線の2つしかなく、地元台湾人の間でも人気路線なんだとか。確かに、この乗車率の高さを見れば納得だ。

年間100万人以上の観光客が訪れる

平渓線

最初の停車駅・猴硐駅

 瑞芳を出発した列車は約7分で次の猴硐(こうどう)駅に到着。ここはかつて鉱山があり、現在は施設の一部を公開している。ただし、それ以上にここは“猫の聖地”として有名。別名「猫村」とも呼ばれ、駅西側の集落を中心に100匹以上とも言われる猫が住み着いている。それを目当て年間100万人以上の観光客が訪れ、沿線でも屈指の人気駅となっているそうだ。
平渓線

駅周辺は猫だらけ

 駅を見下ろす高台に昔ながらの街並みがあり、路地を散策すると至るところに猫が。観光客慣れしているのかスマホを向けてもまったく逃げようとしない。1時間ほどの滞在だったが、すっかり癒され次の三貂嶺(さんちょうれい)駅へ。
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台湾有数の秘境駅には撮り鉄の姿も
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フリーライター。鉄道や飛行機をはじめ、旅モノ全般に広く精通。3度の世界一周経験を持ち、これまで訪問した国は50か国以上。現在は東京と北海道で二拠点生活を送る。

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