エンタメ

「日本人形に呪い殺されそうに…」150体以上の呪物を集める男が体験した“怪奇現象”に戦慄

お気に入りの呪物

tanaka_03

僕は、巨大な毛虫の霊に取り憑かれているんです(笑)。

――ちょっと、もうお腹いっぱいです(笑)。ほかに、お気に入りの呪物はありますか? 田中:「藁人形」はザ・呪物って感じで好きですね。京都の古道具店で箱の護符を取って封印を解いたんですが、長い年月封印されて邪悪な念が箱内に充満していたのか、店主の両の鼻の穴から血が噴き出しました。ほかにも、首と内臓だけ飛び出して家畜を襲う女吸血鬼「ピー・ガスー」や、アフリカのセヌフォ族のシャーマンのみが見ることを許される「オラクル」、ある資産家が祀っていたとされる「ぬえの子どもの手」なんかもお気に入りです。 ――いわくつきのモノばかりですね。こっちまで呪われないか不安です。 田中:あっ、でもタイの代表的呪物「クマントーン」は日本の座敷童に近い存在ですよ。目がバキバキに決まっている「メー・ナーク」という呪物は、恋愛成就で有名です。実際、こうした呪物を集めるようになって怪談・呪物蒐集家として知られるようになり、自著も4冊出すことができたし、全国各地の怪談イベントにも呼ばれるようになりました。怪談コンテストの’21年「怪談最恐戦」では最恐位となり、より仕事も増えた。これも彼らがもたらしてくれた福かもしれませんね。最近、このアパートの近くで温泉が湧いたのですが、これも私の呪物のおかげかと(笑)。ただ、このアパートのほかの住人には、ここが呪物部屋なのは内緒。ある意味、事故物件より嫌がられるかも(笑)。
メー・ナーク

メー・ナーク:戦地から帰還した夫が死んだ妻子の霊と暮らすという、タイのクラシックな怪談があるが、その母子を模した呪物。田中氏の「メー・ナーク」は、もともとはタイの呪術師が所有していた

――隣人にも呪物の福が行くよう祈りましょう。 田中:ただ、幸福をもたらす呪物も、扱い方を間違えると持ち主は福をすべて奪われて最終的に不幸になるそうです。僕の場合、呪物の数が1つじゃないので、奪われ方はきっとえぐいでしょうね。そうならないよう呪物にはそれぞれにルールがあるのですが、呪文を唱える、お菓子を供えるなど、1時間以上かけるのが今のモーニングルーティンです。
次のページ
10年一緒に暮らしたら自身が呪物に近い存在に
1
2
3
4
おすすめ記事