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「物心がついたのは東京03のコント」人気芸人・吉住が語る、初舞台で痛感した怖さとは

内輪ウケの怖さを痛感した初舞台

First Stage 芸人たちの“初舞台”――吉住さんの芸人としてのスタートは、コンビだったんですよね。 吉住 そうですね。養成所(スクールJCA)で最初は、のちに合わせみそ(2019年解散)を組む河田(祥子)と組みました。2013年4月に入所して、人前での初舞台は9月の養成所ライブでした。  ライブ前の養成所生の前でやるネタ見せも反応は悪くなかったからイケると思ったんですけど……。  初舞台は全然ウケなくて、お客さんの投票で決まる順位でも下から2番目でした。  コントをやったんですけど、私の演技が濃いめで、河田は逆に薄くて、その温度差が原因じゃないかと同期に言われましたね。 ――初舞台のコントは吉住さんが書いたんですか? 吉住 はい。なんだっけなぁ……。メイドさんの服着てたことしか覚えてないです。ネタの内容は覚えてなくて、すごくスベったという感触だけが残ってます……。  ネタ見せでの感触もよかったし、自信満々で臨んだら、鼻をへし折られたって感じでした。 ――コント中に「ウケてないなぁ」って気づくものですか。 吉住 はい、あんまり反応ないなと思いました。終わってからも「私たちダメなんだなぁ」ってだいぶ落ち込みましたね……。  結局、ネタ見せは内輪ウケだったんですよね。そこで初めて「自分が何をおもしろいと思っているのか」を、見る人にもちゃんと伝える努力をしないとなと思いました。 ――内輪ウケするってことは、同期には人気があったんですね。 吉住 今思えば、ネタの内容じゃなくて、普段大人しい女が大きい声出してるってのがギャップがあって、おもしろかったのかも(笑)。  同期は普段の私たちのキャラを知ってるからおもしろがってくれますが、もちろんお客さんは知らないわけで。  だから、初見のお客さんは笑わせられない。あれは完全に内輪ウケでしたね。

コンビ解消後の試行錯誤

First Stage 芸人たちの“初舞台”――河田さんとコンビ解消されて、すぐピンに? 吉住 いえ、しばらくは何度も相方を変えてコンビを続けました。養成所のラストライブでは別の男の子と組んだんですけど、事務所に上がれませんでした。  それで、もう1年養成所に残ってダメだったら諦めようという覚悟で、JCAで2年目を迎えました。 ――(連載時に)ザ・マミィさんにお話を聞いたときも思ったのですが、人力舎は所属のハードルが高いんですね。 吉住 そうなんですかねぇ。私はもともと女性同士でコンビ組みたかったので、2年目のスタートは、いかちゃんと組みました。  でも、囚人のコントを一緒にしたら、講師の先生に「いかちゃんにそんなことさせるな!」って言われて、すぐ解散しました(笑)。  それでのちに一緒にデビューする、かわえなつきとムテンカナンバーを組みました。その子とも、コントやったり漫才やったり試行錯誤しましたね。 構成/日刊SPA!編集部 写真/青山裕企 First Stage 芸人たちの“初舞台”【吉住(よしずみ)】 1989年11月12日生まれ、福岡県出身。2015年デビュー。2016年ムテンカナンバー解散後、ピン芸人として活動開始。『女芸人No.1決定戦THE W 2020』優勝、『R-1グランプリ2021』ファイナリスト。『吉住の聞かん坊な煩悩ガール』(ラジオアプリGERA)は毎週土曜日更新。
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First Stage 芸人たちの“初舞台”

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