「お笑いは転職活動」元社会人芸人コンビ・シンクロニシティが語るフリー時代の苦労
今年もM-1グランプリの予選が目下開催中だ。年々増加するエントリーのなかには仕事とお笑いの二足の草鞋を履くものも多数いる。
@poolpoolpooro)とよしおかさん(@hikachicken)に、これまでの歩みとプロになった心境を聞いた。
――おふたりは過去のインタビューなどではご自身を「アマチュア」ではなく「フリー」という表現をしていますが、そこにこだわりがあったんでしょうか。
よしおか:私たちは中央大学の落語研究会出身で、大学お笑いを経験してます。そこで、漫才もして、M-1にも出ていたので、まったくのアマチュアというわけでないと感じていました。
M-1に出ているアマチュアの中には、大学生、社会人はもちろん、ちっちゃい子たちもいます。私たちは大学お笑いなども経験しているので、彼らと同じアマチュアという肩書きはどうなのかなって思ったんです。お笑いの歴も違いますし、ちょっと恥ずかしいなと。
西野諒太郎(以下、西野):大学お笑いや社会人お笑いなど、アマチュアだけのライブは、我々もアマチュアと名乗っていました。ただ、事務所に所属されている方やフリーでされている方も出るライブに呼ばれ始めると、周りの芸人さんに「アマチュアと名乗るのは、お客さんのネタを見るハードルが下がるからズルい」と言われて(笑)。
西野:あとは、我々は最終的にプロを目指していたのも大きいです。アマチュアだとお金をもらわずに漫才をする状態ですが、それだとプロになってから同じクオリティで急にお金取り始めるのは、どうなんだろうと。だったら、早めにフリーと肩書きを変えたほうが、ネタでお金をもらうというプロに移行しやすいのかなと思ったんです。
よしおか:昨年のM-1の準決勝当日に密着カメラのスタッフさんから「決勝行ったら“社会人コンビ”みたいなキャッチコピーつけますよ」と言われたんですが、私が「嫌です」と断りました。万が一、決勝に行けたとして、社会人コンビという肩書きで注目されるのが、嫌だったので。
西野:僕も“おもしろ素人”みたいな形で世に出ると、そこからプロへの移行はきついと感じていましたね。
よしおか:「素人だから、社会人だからよかった」とか言われるのは嫌だったんです。
そのなかで、今年4月に吉本興業に所属したシンクロニシティは、それまで社会人として働きつつ、昨年のM-1準決勝まで進んだ実力者だ。“社会人お笑いの先駆者”と呼ばれるシンクロニシティの西野諒太郎さん(
「アマチュア」ではなく「フリー」
「社会人コンビ」のキャッチコピーは嫌だった
清談社 ライター/編集 編集担当作→稲田豊史さん『こわされた夫婦』、生駒明さん『フーゾクの現代史』、諸富祥彦さん、島田友和さん、青木美帆さん『1on1コミュニケーション入門』、しみけんさん『モテる男39の法則』。X(旧Twitter):@numazawa_n
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