「家賃は3万5000円、洗濯機もありません」デビュー作“30万部超え”なのに年収200万円台、元芸人作家が告白
元お笑い芸人の小説家・藤崎翔氏。お笑い劇場『新宿バティオス』の「命名権」をクラウドファンディングで約290万円で購入した際、その金額を「年収並み」と明言したことが話題になった(現在、同劇場の看板は「新宿バティオスwith年収並みの命名権を買っちゃったから小説が売れないと困る藤崎翔」に)。
「20作近い著作を持つ作家さんが年収200万円台!?」
気になり取材を申し込むと、質素な生活ぶりが明らかに。
――本当に今も年収200万円台なんですか?
藤崎翔(以下、藤崎):乱高下が激しいものの、年収200万円台は事実です。芸人時代とデビューしてからもしばらくは、東京都杉並区阿佐ヶ谷で一人暮らしをしていました。延床面積12平米で、家賃4万5000円。小説家デビューさせてもらったKADOKAWAが近かったんですけど、「それほど行く機会はない」と気づきまして。自宅が牢屋のように狭いのがイヤだったし、家賃も下げたくて物件を探しました。2014年にデビューして、2016年の年末に引っ越したんです。
――担当編集者さんから伺いましたが、引越し先は地元の茨城県牛久市とのこと。間取りや家賃をお聞きしたいです。
藤崎:駐車スベース1台分込みで、アパートの家賃は3万5000円。2DKで約47平米あるので、広さがほぼ4倍になった上に、家賃1万円の値下げになりました! 一人暮らしだしパートナーもいないので、広すぎて持て余してしまうほどです。テレビを観ながら自炊ができないんだと、最初は戸惑いましたけど。
2階に住んでいて、1階は店舗です。最近、1階のデリバリー店舗が僕の駐車場を無断で使用しているんですけど、僕はペーパードライバーだしたとえ車を買っても維持費がかかる。だから「まぁいいかな」と。
――それって……(笑)。ちなみに、地元へ引っ越すのであれば、ご実家へ戻る選択肢はなかったのでしょうか。
藤崎:少し考えたんですけど、両親は夫婦2人きりの生活が長いんですね。もしかしたら、今でも1日に何度もキスしているかもしれないじゃないですか。そんな実家へ大人になった次男坊が戻ると、夫婦2人だからこそできていたことができなくなってしまうかもしれない。親と息子、お互いに気を遣うでしょうし。
もともと家賃は支払っていたわけだし、家賃が1万円下がっただけで大満足です。
家賃3万5000円のアパートで一人暮らし
夫婦水入らずの両親に配慮して
うちの・さくら。フリーインタビュアー、ライター。2004年からフリーライターとして活動開始。これまでのインタビュー人数は3800人以上(対象年齢は12歳から80歳)。俳優、ミュージシャン、芸人など第一線で活躍する著名人やビジネス、医療、経済や一般人まで幅広く取材・執筆。趣味はドラマと映画鑑賞、読書
記事一覧へ
記事一覧へ
|
『逆転泥棒』(双葉文庫) 驚きの「逆転トリック」がまたも炸裂 ![]() ![]() |
【関連キーワードから記事を探す】
「16年ぶりに筆を執った」現役女医の作品が、満場一致で新人文学賞受賞。どんな人物か、本人を直撃
「テレビは20年前のもの」「エアコンは使わない」年収200万円台の“元芸人小説家”が語る、驚きの節約生活
「家賃は3万5000円、洗濯機もありません」デビュー作“30万部超え”なのに年収200万円台、元芸人作家が告白
プロの小説家とAIが「殺し屋が主役のサスペンス」で対決。AIに足りなかったものは
早大卒、バイトしながら小説家デビュー夢見て42歳。今さら諦められない理由
この記者は、他にもこんな記事を書いています