更新日:2024年03月09日 16:41
仕事

「ナンパを断っただけなのに」泥酔客が激怒。居酒屋の女子大生店員が悩む“カスハラ”の実態

散々飲み食いした挙句、会計時に「払う価値がない」

おばんざい 文句を言う割にはたくさん頼み、〆のお茶漬けまで堪能。3時間ぐらい滞在し、ようやく「もう帰る」と言うので安堵した牧野さん夫婦だったが――。 「常連さんの数人が『あの変な客が帰ったら連絡して』とLINEをくれていたので、やっといつもの営業に戻れると思いながら、会計を出しました。金額は7200円です」 「ありがとうございます」と客に伝票を出すと「は? 高過ぎるだろ!」と声を荒げた。 「1杯800円前後、料理も700円から1800円程度なので3時間いてコンスタントに頼めば、それくらいになるのは普通なんですよ。でも揉めたくなかったし、他にお客さんもいなかったので『じゃあもう5000円きっかりでいいです』と伝票を書きかえました」  大幅な値引きを提案するも、客から出たセリフは「払う価値がない、タダで妥当」だった。 「さすがにイライラしてきて『警察呼びましょうか?』と言うと、向こうは『ふざけるな! もし警察なんか呼んだら、一生店ができないように触れ回ってやる!』と大声で返す。しばらく押し問答が続いて、最終的には5000円を払ってくれることになったんですが、『某口コミサイトに書き込んでやる!』と吐き捨てました」  牧野さんの店は口コミの評判が良く、嘘だろうと酷評レビューで汚されるのはどうしても嫌だった。

“一見さんお断り”に

「もうお金はタダで結構なので、口コミサイトへの書き込みはしないと約束してもらい、帰っていただきました。この一件があって以降、完全予約制にして、新規は紹介のみにしました。もう一見さんが怖くなってしまって」  とはいえ、常連客が多かったので、新規客をあまり受け入れないようにしても「そこまで売上に支障はなかった」そうだ。 「友人の飲食店経営者もこういう散々飲み食いした挙句に文句を言い、口コミサイトに悪評を書き込むと脅された経験がある人は結構いますね。僕の店はすでに常連も多いから、あんな新規が混ざってくるならと、新規のお客さんは紹介のみにしましたが、これがまだ常連さんが少ない、オープンしたての頃だったら……対応に苦慮していたかもしれません」  カスハラについて牧野さんは「お客さんは神様ではない、ということです」と苦言を呈した。 <取材・文/吉沢さりぃ>
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720
1
2
おすすめ記事
ハッシュタグ