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「妻にバットで殴られ、刃物で切られた」男のDV被害、“報道されない”実態を支援者が語る

DVの被害者・加害者になりやすい人とは?

 味沢氏によると、DVの被害者・加害者になりやすい人には一定の傾向があるという。 「成育段階で、親からコントロールを受けている人は男女問わず、被害者にも加害者にもなりやすいです。女性の場合は成育の段階で、女の子らしくしなさいなど、自己決定や自己主張をするトレーニングを受けていない人が加害者になりやすい。そういう女性は結婚後、夫に対し、言いたいことを言えないし、コントロールされることを望みます」  夫婦2人の関係性ならば、それで済む。しかし「子どもが産まれるとそうはいきません」と語る。 「女性の加害者はいい妻・いい母になれないという役割意識から、自分を責めてしまい、ためこんでしまう。それがプツンときたときに暴力になります。また男性の加害者の場合は、逆にコントロールしようとします。女性に負けてはいけないという気持ちが働き、なんで妻は分からないのだという気持ちが暴力につながるのです」

包丁を出すにも理由がある

日本家族再生センター

味沢氏は独自の支援プログラムを行っている

 過去にトラウマを与えた相手とは別の相手を目の前にしても、フラッシュバックし、目の前にいる相手にその気持ちをぶつけてしまう。味沢氏はそういった“痛み”を抱えた女性たちの悲痛な声に、深夜まで対応する。カウンセリング料金は、1回3000円だ。 「攻撃的になるのは自己防衛です。過去の“傷つき”や“痛み”からきています。カウンセリング料金を3000円にしたのは、臨床心理士などは話を聞くだけで1万円~1万5000円と高いので、お金がない人は続けられないからです。こちらは利益抜きで支援にあたっています
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男性がDV被害者になったらどうする?
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立教大学卒経済学部経営学科卒。「あいである広場」の編集長兼ライターとして、主に介護・障害福祉・医療・少数民族など、社会的マイノリティの当事者・支援者の取材記事を執筆。現在、介護・福祉メディアで連載や集英社オンラインに寄稿している。X(旧ツイッター):@Thepowerofdive1

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