更新日:2024年03月24日 10:04
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「4℃(ヨンドシー)」が大量閉店した納得の理由。“女性に敬遠される”のは過去の話に――大反響トップ10

“恋愛映画の巨匠”を起用したプロモーションが好評

 ヨンドシーがブライダル専門店を縮小する一方、大躍進を遂げているのが「銀座ダイヤモンドシライシ」や「エクセルコダイヤモンド」を運営するNEW ART HOLDINGS。この2つのブランドは婚礼客をメインターゲットとしています。  2023年3月期のジュエリー事業の売上高は、前期比17.8%増の188億8000万円でした。2023年4-9月の売上高も、同0.9%増の90億3000万円と堅調。反動減に見舞われている様子はありません。ヨンドシーがブライダル専門店を整理した結果、婚礼客の受け皿となった可能性は十分に考えられます。
ヨンドシー

ニューアートホールディングス業績推移 ※決算短信より筆者作成

 NEW ART HOLDINGSのジュエリー事業は、2019年3月期の売上高が前期比28.2%増の125億3800万円と急増しました。躍進するきっかけとなったのが大々的なプロモーション。2018年5月、銀座ダイヤモンドシライシは恋愛映画の名手として知られる行定勲監督を迎え、メッセージ性の強いテレビCMを放映しました。  プロモーションの強化と販売員のスキル向上がかみ合い、大幅な増収へとつなげます。  行定勲監督のテレビCMは好評でシリーズ化しており、2023年4月からは俳優の若葉竜也さんと木竜麻生さんをキャストに迎えた、新しいCMを放送しています。巧なプロモーション戦略で、NEW ART HOLDINGSは新たな成長ステージに入りました。

国内有数の投資ファンドに買収されたアイプリモ

ブライダルリング専門店「アイプリモ」を運営するプリモ・ジャパンも業績が回復してきました。2022年8月期の売上高は、前期の1.5倍となる122億9700万円でした。ただし、この会社はコロナ禍を迎える前の売上高が、140億円を超えていました。元の水準には戻り切っていません。  プリモ・ジャパンは2015年に香港系の投資ファンド・ロングリーチに買収されましたが、2021年に転売されています。受け皿となったのが、インテグラル。今年9月にグロース市場に新規上場した国内の独立系投資ファンドです。プリモ・ジャパンはコロナ禍以降、営業赤字が続いています。  店舗数はインテグラルの傘下に入った後も大きく変化していません。企業価値向上を図るために拡大路線を選ぶのか、縮小で筋肉質な組織づくりを行うのかによって、ジュエリー業界の勢力図は再び変化することになるでしょう。
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アパレル事業に助けられたヨンドシー
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フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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