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「自分も育児にかかわりたい」夫の提案に妻が猛反対…男性育休「取りたくても取れない」パパたちの悲鳴

今年2024年、流通大手のイオン株式会社が、男女問わず育児休業(以下、育休)を取得する社員に、最長で子どもが1歳になるまで給与の手取り額を100%保障する方針を打ち出した。男性も育休を取りやすい社会になりつつあるが、職場や家庭によって大きく異なりそうだ…。

男性育休に猛反対する妻や親類一族の真意とは

写真はイメージです、以下同

 妻A子さん(32歳)の妊娠が判明したとき、桐山悠生さん(仮名・37歳)は、「自分でもビックリするような感情に包まれた」のだと言う。それは、「自分も出産や育児にかかわりたい」という強い気持ちだったとか。 「妻の妊娠が発覚するまでは、仕事一筋のタイプ。昇進や昇給に喜びを感じていましたし、妻は仕事への理解があり、やりたいようにやらせてくれました。深夜の帰宅や休日出勤にも嫌な顔ひとつせず、いつも笑顔で労いの言葉をかけてくれるのです」  そんなA子さんへの感謝もあり、「妊娠を機に家族との時間を増やし、絆を深めていきたい」と考えるようになった桐山さん。貯金も十分。ダメもとで「男性育休を取りたい」と相談した職場からも祝福された。喜ぶ反応なども期待しながら妻にそのことを伝えたのだが…。 「次の瞬間、スッとA子から笑顔が消えたのです。すぐに笑顔は持ち直していましたが、あきらかに不自然な表情で、『悠生が育休を取るって、どういうこと?』と聞かれました。そして、『私は専業主婦だし、ひとりで平気』と、言うのです」  口調こそやわらかいが、言葉の端々には何故か強い意志を感じるのだ。「仕事人間だった僕に遠慮しているのでは?」と思った桐山さんは、もう一度ゆっくりと育休を取得しようとしていることを伝えてみる。 「けれどA子は、『育休の間、給料が減るじゃない』と不満そうなのです。僕は、『赤ちゃんと過ごせる期間は短いし、いままで仕事が忙しくてほとんど家にもいなかったから、家族だんらんの時間を楽しみたい』と食い下がりましたが、まるで納得していない様子でした」  さらには、「出産したらお金もかかるし、男の人が育休を取ったという話は私の周りでは聞かない。会社をクビになったらどうするの?そうでなくても今後、重要な仕事を任せてもらえなくなるかもしれない」と猛反対。とにかく、「1人で大丈夫」だと言い張るのだ。 「これも、仕事を優先してきた自分のせいだと反省。自分の両親やA子の両親にも相談して加勢してもらおうとしました。でも、僕の両親も義父母も、口をそろえたようにA子と同じようなことを言い、育休の取得を反対したのです」

妻が夫の育休に反対していた理由

 自分の両親にも奥さんの両親にも同じようなことを言われ、育休の取得を諦めてしまった桐山さんだったが、自分のなかでの優先順位を変更。残業などもなるべく減らし、つわりが酷かったA子さんの代わりに、家事全般を担当するようになっていった。 「家事にも慣れてきた頃に、A子が出産のため入院。僕はA子に代わり、オフシーズンの衣類や普段は使わないものを保管しておく倉庫のような部屋も掃除し、少しでもホコリを減らしておこうと思ったのです。でも、これがいけなかった…。いろいろと出てきたのです」  いままで桐山さんが足を踏み入れたことのなかったその部屋の奥には、ブランドのカバンや靴が袋や箱に入ったまま、布や物で隠すように置かれていた。そして、残高の少ない預金通帳や借金の督促状なども次々と発見することに…。 「そして、妻の散財が発覚。800万円近くあったはずの貯金は残り数万円となり、150万円もの借金をしていることを知りました。それを僕の両親に相談したところ、両親も大激怒です。そして、妻が僕の両親に育休の取得を反対するよう懇願していたこともわかりました」  A子さんは、「悠生が私に気を遣って育休を取ろうか悩んでいる。悠生には支えてほしいけれど、子どもや将来のためにも、いまは貯金をしておきたい。お父さんやお母さんからも説得してほしい」と頼み込んだのだという。 「妻を問い詰めたところ、『給料やボーナスが減ると返済できなくなるから、悠生の両親や私の両親にも口裏を合わせてと頼んだ』と白状したのです。赤ちゃんと楽しく過ごす計画が崩れただけでなく、このような形で妻の裏切りを知ることになり、とてもショックでした…」  その後、夫婦関係はギクシャク。何度も修復を試みたが、心に溝ができてしまい離婚したという桐山さんは、「夫婦の価値観は大事だし、貯金額を把握しておくことも大切。それに、育休など家族のイベントについては普段から話し合っておくべきですね」と話してくれた。
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卑怯な上司と時代錯誤な職場に奪われたチャンス
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