仕事

仕事と育児の両立ができない父親に教えたい「時間のつくり方」

 小泉進次郎大臣の育休取得が賛否を集めるが、仕事と育児の両立に悩む働き盛りの男性は少なくない。NPO法人「ファザーリング・ジャパン」の安藤哲也氏は語る。 育児

時間の使い方を改善することで家庭と仕事の両立を生む

「私のセミナーではまず働き方の見直しを提案しています。子供との時間がなければ、親子の関係が築けず、奥さんは不満を漏らす。そうなると、家庭に居場所がなくなり、仕事に逃げ込む悪循環に陥ります」  とはいえ、厚生労働省の調査によると男性の育休取得率は6.16%(’18年)と現実的には厳しい状況だ。
まだ成長できる人

女性に比べ圧倒的に低い男性の育休取得率。「育休の条件を満たしていれば会社は申請を拒否できない。使うのも手です」(安藤)※平成23年度の割合は、岩手県、宮城県および福島県を除く全国の結果/出所:厚生労働省平成29年雇用均等基本調査

「育休が取りにくくても、時間をつくることを意識してください。例えば、早く起きて自分の時間をつくりつつ、朝食の支度などを担当する。夜型で難しいという人は、休日どちらかを“家族の日”と決め、一緒に過ごしましょう。連続性を持って家庭に参加することが重要。  仕事に波のある人は、いつまで忙しいのか見通しを奥さんに伝えること。無理をして遊びに連れていくより、家庭が同じ方向を向いていることを示すほうが大切です。家庭が良好ならば仕事のパフォーマンスも自ずと上がります」  育児の大変さは期間限定、とも安藤氏。 「スキンシップが必要な時期はわずかなので、割り切って父親であることを楽しんでください。僕自身も3人の子育てをしましたが、ピーク時は自分の趣味を少し抑えました。  でも、そこで時間のつくり方を身につければ、手が離れてから、資格取得や趣味に時間を費やせるようになる。中年以降の停滞感を解消する手助けになります」  子供の成長を見守ることが、己の成長を止めないことにも繋がるのだ。
まだ成長できる人

安藤哲也氏

【安藤哲也氏】 ファザーリング・ジャパン代表。’06年に父親支援事業を展開するNPO法人ファザーリング・ジャパンを設立し、代表理事を務める。平成30年度「内閣総理大臣表彰」を受賞している <取材・文/週刊SPA!編集部>
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