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早稲田大の入試だけじゃない、日本語能力試験でカンニングが横行。試験開始15分後に解答が送信される「手口」――大人気記事ベスト

試験開始15分後に解答が送信されてくる

日本語能力試験

写真はイメージです(以下同)

前出の学生によると、カンニングを斡旋する業者が存在し、WeChat(中国版LINE)で集客しているのだという。在日中国人向けのグループチャットを見せてもらうと、複数の中国人業者が「日本語能力試験・合格保証」と謳う広告を掲載していた。 そこで、記者が留学生を装い業者に接触すると、業者は手口を次のように説明した。 「試験会場では電子機器類はカバンにしまうことになっているが、スマートウオッチのベルト部分を外し、本体部分を手の中で握っておけば見つからない。試験開始から15分ほどで解答をスマートウオッチに送る。オススメはサイズが小さいApple Watchのシリーズ3だ。試験の数日前になったらビデオ電話で具体的な流れを説明する」 これは受験会場に送り込まれた協力者がカメラ機能つきガジェットで問題を撮影して外部に送信し、解答を返信していると考えられる。さらに費用については、全部で30万円。前金として15万円、合格後に15万円をWeChatペイで送金せよとのことだった。 業者は、実際に利用し合格した留学生たちから寄せられたとみられる感謝のメッセージなども複数公開しており、現在は12月に行われるJLPTに向け、合格保証を謳う宣伝を発信し続けている。

「努力の結果と言われてしまえばそれまで」

日本語教師で、日本語学習に関する情報を発信するカキアゲ氏は一連の問題についてこう懸念している。 「日本語教師であれば、心当たりのある人はかなりいると思います。特に中国人留学生については、同じ漢字圏であるとは言え、N5(最低レベル)の生徒がいきなりN1に合格することは本来あり得ないのですが、そうした学生が少なからず存在していることは確かです。 ただ、努力の結果と言われてしまえばそれまでで、深く追及することもない。合格者数は学校の実績にもなりますので。また、受験票の写真を本人だとわからないほど加工する人もいるので替え玉受験もあり得るとみています」
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