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入社1年目で上司の指示を拒否!「身勝手すぎる新入社員」を待ち受ける“2つの選択肢”

回答:学歴以外には、成功体験をしていない?

 大手士業系コンサルティングファーム・名南経営コンサルティング代表取締役副社長で、社会保険労務士法人名南経営の代表社員であり、全国社会保険労務士会連合会 常任理事でもある大津章敬(おおつあきのり)さんに取材を試みた(以下は、筆者のインタビューに大津さんが答えたもの)。 ================
大津章敬

大津章敬さん。社会保険労務士法人名南経営代表社員

 この女性についての印象で言えば、仕事の経験が浅いために十分な自信がないのかもしれませんね。学歴以外には、成功体験をしていないのかなとも思いました。その意味でのコンプレックスが強いがために上司をはじめ、周囲から仕事への指摘を恐れている。  素直に聞き、それを今後に生かすことができない。そんな弱さがあるように感じました。自らを正当化しようとすると、結果として独善的に仕事をすることになってしまいかねないように思います。  女性と上司との人間関係を正確に把握することは事例だけでは難しいのですが、前の部署と現在の部署の双方の上司との関係が何らかの形で影響している可能性があるように感じます。女性の言動の一部には会社員として明らかに問題があるわけですから、上司はそれを指摘し、正していくように指導しなければいけない。  それができているようには思えないのです。ここが、最も大きな問題と言えます。

プレイヤーとしては大きな活躍も

 これまでの労務相談で得たものをもとにお答えすると、女性の学歴が高いことにも目を向ける必要があるかと思います。同じ大学・学部を卒業した友人の中には20代であっても、職場で大きな活躍をしている人がいるのではないでしょうか。  それにもかかわらず、自分はそうではないと思い込み、視野が狭くなり、短い期間での成果に固執しているとも考えられうるのです。自分は価値ある人材であり、もっと活躍できると信じているのですが、結果としては会社という組織に不適合な一面があり、自らが求める成果が出ない。そこで焦りを感じ、独りよがりな言動になっているかもしれないのです。  仮に私が上司ならばこういう社員は確かに扱いづらい面がありますが、後々に化ける可能性があると信じ、指導・育成を行います。これはあくまでも希望的観測かも知れませんが、管理職に向くかどうかはともかく、プレイヤーとしては大きな活躍をすることがありうるかも知れません。  たとえば、1人で判断し、仕事をどんどんと進めていくようですが、上司をはじめ、環境に恵まれ、きちんと教育を受ければ大変な行動力となり、成果を出していく可能性もあると思います。上司が女性をきちんとハンドリングできるか否かは、大きなポイントになるでしょうね。
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彼女には2つの選択肢がある
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ジャーナリスト。1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006年より、フリー。主に企業などの人事や労務、労働問題を中心に取材、執筆。著書に『悶える職場』(光文社)、『封印された震災死』(世界文化社)、『震災死』『あの日、負け組社員になった…』(ダイヤモンド社)など多数
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