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ロボットやAIに人間の仕事が奪われる【テクノ失業の恐怖】

 ロボットが人間の仕事を奪う――そんなフレーズを聞いたことがあるだろう。

 人間の歴史では、テクノロジーの進化によって人が仕事を奪われるというシーンが繰り返されてきた。18~19世紀の産業革命では、機械化によって農民や手工業者が失業し、1960年代のオートメーション化でも、多くの工場労働者が職を失っている。

 そして最近、盛んに言われているのが「テクノ失業」だ。コンピュータやインターネット、さらには今後の普及が予想されるロボットやAI(人工知能)の登場で、単純労働者のみならず知的労働者の仕事までもがテクノロジーに取って代わられる――そんな恐怖のシナリオが、現実になりつつある。

 野村総研の試算によると、国内の601種類の職業のうち、実に49%が10~20年のうちにAIやロボットで置き換えることが可能だという。そこに待ち構えるのは、どんな未来なのだろうか……? 

テクノ失業

アメリカではすでにテクノ失業が進行中


 IT先進国のアメリカでは、すでに「テクノ失業」が社会問題になっている……と話すのは、25年間の滞米経験を持つジャーナリストの堀田佳男氏。

「オバマ政権下では失業率が減少したかのように喧伝されているアメリカですが、職業安定所への登録がないために捕捉されていない失業者も多く、実態としては25歳~54歳の働き盛りの男性の10%前後が失業者だと言われます。その主要因と考えられるのが『テクノ失業』なのです」

 レイオフ(一時解雇)という建前でのクビが横行するアメリカでは、コスト削減のために人間を機械に置き換えるなど日常茶飯事。

「例えばテラーと呼ばれる銀行の窓口業務は、ネットバンキングに移行しつつあり、全米のテラー数は’01年~’09年にかけて約70万人も減少しました。また、同じ時期に、製造業でもロボットの導入などによって約270万人の職が奪われています」

 さらに、今後大量の失業者が出ると見られているのが「トラック運転手」だ。

「アメリカではトラックの運転手が約290万人もおり、男性の間では最も雇用者数の多い職業。昨今話題になっている“自動運転車”が与える影響は計り知れません。もちろん、長距離トラックがいきなり無人化されたりはしないでしょうが、まずは空港や物流ターミナルなど、広大な敷地内での運搬に携わる車から無人化されていくはずです。同様に、決まった路線を走る公共バスも無人化のターゲットになるでしょうね」

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最初から人間を雇わない企業も……

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