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16歳で来日した“モンゴル人元力士”の半生。暴行罪で4度の逮捕、経営する会社の売り上げもゼロに近づき…「本当に妻には感謝してる」

酒癖の悪さで逮捕を重ねてしまう

突撃ルポ[不良外国人の自宅]

「喧嘩したつもりはない。いじめてるだけ(笑)。まぁ俺が悪いんだろうね。酒も入っちゃってるし」と冗談と反省が入り交じる

その後も酒癖の悪さから、飲みの席でのトラブルは少なくなかったが、なんとか警察沙汰は免れていた。 しかし、ここ2年は暴行罪で逮捕歴を重ねることに。 「でもまあ、俺から言わせれば、とばっちりみたいな逮捕だね。酔っ払って路上で寝てる男をどかしたら、俺がぶん投げたことにされたり、喧嘩を売られたからちょっと踏んづけたら大げさに騒がれたり。取り調べではヤクザとの関わりがないかマル暴にも詰められて、書類送検で済んだけど罰金10万円もってかれた」 4回目は路上で飲んでいたら、当たり屋にぶつかられて「200万円出せ」と絡まれたのだという。 「俺は心配して『そんなことしていたら危ないよ?』と注意がてら軽くビンタしただけ。そうしたら警察に駆けこまれて求刑6か月執行猶予3年。俺がモンゴル人で元力士だから、加害者扱いされやすいってのも、少なからずあると思うよ。人相も悪いしね(笑)」 しかし、会社の経営は逮捕のたびに滞り、売り上げはどんどんゼロに近づいていった。
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罰金支払いの督促状。「ぼやぼやしてたら“直ちに”だってさ」

「4回目の逮捕でもう帰国しようかと思ったよ。逮捕歴で就労にも制限ができて、勝手に働くわけにもいかない。でも一度帰国したら前科があるから二度と日本に入国できないかもしれなくて……」

彼女との結婚を機に更生を誓う

ピンチを救ってくれたのは1年前から交際中の日本人の恋人だ。 「彼女が『結婚したら日本にいられるじゃん!』と言ってくれて、先日入籍したんだ。配偶者ビザを申請中だよ。本当に妻には感謝してる」 彼女とは路上飲みの場で知り合ったという。 「病気の関係で彼女も働けなくて、生活保護を受けているけど、お互い一緒にいて気楽というか、馬が合う……。しっかり者の彼女が“お金もったいないから、ちゃんと自炊しようね”って言うんでモンゴル風の餃子を作るんだ。おいしいって喜んでくれるよ」
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冷凍庫に保管されていたテムーレンさんが作ったモンゴル餃子

現在の生活費は会社資金を取り崩すなどして凌いでいる。 「でも、それももう長くはもたない。ビザが下りたら、早く働いて会社を立て直したいね。こんな身なりだから友達から冗談交じりで“悪いことでもして稼いだら?”と言われることもあるよ(笑)。でも、俺は自分の仕事に自信があるんだ。こう見えて資格もたくさん持っているしね。とはいえ……執行猶予中なんで、次に逮捕されたら終わり。下手なことしないように酒には気をつけます(笑)」 取材中2時間で度数の高い500㎖缶の酒を何本も飲み干していく姿に一抹の不安を覚えた取材陣だが……愛のチカラで更生なるか。
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お酒を水のごとく飲み干すテムーレンさんの姿をうさぎが静かに見守っていた

<取材・文/週刊SPA!編集部>
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